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第15話 夫婦円満! 奥様はMazo!

 前回のあらすじ。

 壮大なフリ。




「妻がMなんだ」



 空気が凍った。

 M? ここでもそういう概念があるのか? それとも異世界特有のはやり言葉か?



「叩かれて喜ぶドMなんだ」




 あっちゃーー! まんまかい!



「え? でも怪我してるのはジードさんですよね?」

 


 その通りだ、ジードさんはやつれていてアチコチ怪我の跡がある。

 これみたら逆に彼のほうが叩かれてるように見えるだろう。

 


「無敵夫婦の話は知っているだろう? 妻も方が竜の影響を強く受けていて、叩いた俺が逆に怪我をするんだ」

「えぇ……」


「でも、そんなになるまでする事はないんじゃないですか?」

「俺は妻の期待に応えたいんだ!」



 普通こういうセリフってカッコイイて思うものだろう。

 チラッとユリヤを見ると物凄く引いているのがわかる。

 

 正直俺も引いている。



「あ、あー、そう言う事なら俺達は協力できることないですよね、あはは……」

「待て、ここまで来て何もしないというのは無しだぞ」



 さっき自分が言った台詞をそのまま返され俺は逃げ場を失った。


 聞いてもいないし、聞きたくもないのだが、ジードさんはここに至るまでの経緯を話し始めた。

 

 もう寝たい。




「クフリは今苦しんでいるんだ、それを解消してやれない俺が悔しい! 夫として妻の望みに答えてやらなければならないんだ!」



 邪竜の血で無敵になった2人だったが同じような力を得たわけではなく、クフリさんの方がより多く血を浴びたためそれだけ能力の差が生まれたらしい。


 魔王が倒されたことにより、冒険者を引退したものの、今まであった修羅場をくぐり抜けるスリル。

 命のやり取りなどが無くなったためかクフリさんのMが悪化しそれに伴いなぜか能力も上がったため、ジードさんの力ではろくに痛みを与えられなくなってしまったとのこと。



「回復薬は俺の怪我のためだ、それにやつれているように見えるのは妻の望みを叶えてあげられない自分を責めた結果なんだ……」

「アッハイ」


「それでワタシに強化魔法を使ってほしいって来たんですね、納得できまし……た?」



 

 自分の力でどうしようもできなくなったからユリヤを頼りに来たのか、たぶん精神的に追い詰められていたからろくに説明もせずにあんな言い方になってしまったんだろう。



「大体話は分かりましたけど、まずは皆で明日話し合いましょう、勿論クフリさんも一緒ですよ」




 このまま本人を交えず話し合いをしても意味がないはずだ、そうに違いない、とにかくパンクしそうな頭を休ませるためこの件は明日にしようそうしよう。


 ジードさんが帰った後、俺達はスキル『爆睡魔』で強制的に眠りについた。

 







「え、えぇ…………」

「そうなりますよねぇ」



 次の日、起きてきたカヤノに昨晩起きた出来事をすべて話した。

 ものの見事にドン引きしているが約束したことなので仕方ない、朝食を食べ、彼らが住む家に行くことにした。






「そうですか、主人は全てを打ち明けたんですね……」



 家の中に入れてもらったあと、テーブルに座りすべてを話した。

 クフリさんはとてもお淑やかで優しい人だ、今見ていてもそんな一面があるだなんて信じられない。



「そうなんです。 自分で言うのは恥ずかしいのですが叩かれると、たまらないくらい気持ちいいんです」



 信じたくなかったなー!

 この世界に来てから1番好みのタイプだったのに!



「では! 早速俺に強化魔法をかけてくれ!」

「私からもお願いします!」


「え? ここでですか!?」



 深く頭を下げる2人はどこか興奮を隠しきれないように見える。

 両方変態じゃねぇか! 無敵ってメンタルのことも言ってんのかよ!



「な、汝その身に鬼神の如き力を宿せ、我は総てを打ち砕くものなり、『プロステイ』!」



 そんな呪文あったっけ?

 

 ユリヤが呪文を唱えるとジードさんの体が赤く光、溢れんばかりの力を宿した。



「おお、これなら行けるぞ! クフリ!」

「ええ! お願いします!」




 バチぃん!と耳をつんざく音が家の中に響き、かなりの強さでクフリさんを叩いたのがわかる。

 


「うっ!」

「あなた! 大丈夫ですか!?」



 強化しても尚クフリさんの無敵の体の方が上回っていたようでジードさんは手を抑えて蹲る。

 


「なあ、俺達なにやってんの?」

「私に聞かれても困るんだけど」


「最大の強化魔法かけたつもりなんですけど……」



 よほど力の差があるのだろう、クフリさんは僅かに頬を紅潮させているものの特になんともないらしい。

 それよりも余計に強くしてしまったっせいかジードさんが受けるダメージが大きくなってしまったようだ。



「あの、マサルさん、弱体化の指輪はどうですか?」

「ジードさんどうにかするよりも、クフリさん弱くしたほうが良さそうよね」


 

 確かに最大限強くしてもこのざまなら強い方を弱くしたほうがいいだろうな。

 

 俺はユリヤに渡した物よりも強い弱体化の力を込めた指輪を作ってクフリさんに手渡した。



「凄い弱くなるのを感じます!」

「よし、行くぞクフリ!」










「がぁっ! まだ駄目だ!」

「あなた! 大丈夫ですか!」



「ねぇ、もうクフリさん成金みたいになってるわよ?」

「ここまでやっても駄目か……」



 弱体化のアクセサリーをつけては叩いて確かめる。叩いては確かめるをしていると、今や指輪、腕輪、ネックレス、ピアスを可能な限りつけてインドにいる神様のようなゴテゴテ具合になっている。



「まだまだ! マサル君、まだ頼むよ!」

「あなた……!」



「帰りたい……」

「私もやるからあきらめないでよ!」





 最終的に可能な限りの弱体化のアクセサリーをつけた状態で俺がデバフをかけ、ユリヤが最大の強化魔法をかけ、カヤノが力の封印を施す事でようやく釣り合いが取れるようになった。



「ありがとう! 君は俺達の救世主だよ!」

「あぁ……なんとお礼を言っていいかわかりません」



「よかったですね、で、では私達はこれで……」



 ようやく望みがかなった2人は情熱的に抱きしめ合い、今にもおっぱじまりそうだったので、早々に帰ることにした。




「あ、寿命伸びてる……」

「良かったです……よね?」

「人間の愛の形ってそれぞれだからね、彼等は幸せに違いないわよ、うん」



 

 



 その後、ジードさんが家を引きこもることはなくなり、顔もとても健康に戻った。

 最初に見たときよりも絆が深まった2人を見て、街の人達は安心して悪い噂話をする事はなくなったのだ。




「いくぞクフリ!」

「ああ! たまりません!」



 その代わり別の噂話は立つようになった。

 夜になるととてもご盛んな夫婦の矯正が聞こえてくると。



 そして弱体化の魔法と強化魔法は時間で効果が切れるので夜のたびに俺とユリヤは呼び出されるようになり、夫婦が落ち着きを取り戻すようになるまで暫く悩まされるようになった。



「私が封印されてる間に世界はこんなことになっているんですね……」


「もう勘弁してくれ!」



 噂を聞きつけた倦怠期の夫婦やラブラブカップルなどが夜の生活を熱くする者たちと俺達に相談することが増え、より一層名が上がったのだった。





 最強の男、マサル

 

 2つ名、街の便利屋さん

     夜の支配人 NEW‼


 残り寿命、10年

 命の負債、《1万年》


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