90.
勇者「さて、どういう風に攻めようか」
僧侶「一気呵成がよいかと……」
勇者「対策させないようにするのがよさそうだよね」
魔法使い「……。」
勇者「もう手加減はしてくれないだろうね」
僧侶「バリアをクリスタルで解除しましたからね」
勇者「一度装備を見直すのもいいかもね」
魔法使い「……。」
勇者「どしたの、さっきから元気ないね」
魔法使い「……ごめん。気分良くなくて」
勇者「大変だ! 僧侶、なんとかできない?」
僧侶「……。」
魔法使い「これは祝福じゃどうにもならないと思うから……」
勇者「それって、どういう……?」
僧侶「……。」
魔法使い「全く。転移魔法なんか使わせるんじゃないわよ」
勇者「まさか魔王城の敷地内で野宿はできないでしょ」
魔法使い「だからって初めの町まで戻る必要ある!?」
勇者「いいじゃーん、魔法でひとっとびなんだし」
魔法使い「アタシだからできてるけどね、難しいんだから」
勇者「……転移って、そんなに難しいの?」
僧侶「移動距離に応じて疲労度合いが変わるとか」
魔法使い「ホント、もうちょっと気遣ってほしいわ……」
勇者「ご、ごめん。そうとは知らず……」
魔法使い「ほら。もう休みましょ。多分最後の休憩になるだろうから」
僧侶「はい……」
勇者「それなんだけどさ……」
勇者「この宿、一部屋しかとってなくて……」
魔法使い「……ま、いいじゃない」
勇者「いいの?」
魔法使い「何だか、始めを思い出して……ね?」
僧侶「……。」
僧侶「……そうですね」
死まで、あと11日




