89.
鏖魔皇「待ちくたびれたぞ!」
魔法使い「こっちも敵の居城で一泊するとは思わなかったわよ!」
勇者「よく襲われなかったよね」
僧侶「ですよね」
鏖魔皇「まあいい……貴様らの狙いは分かっている」
僧侶「あれは、クリスタル⁉」
鏖魔皇「そうだ。魔王様を殺す為にこれが必要なのだろう?」
魔法使い「先回って集めてたってワケね……」
鏖魔皇「残りのクリアクリスタル――」
鏖魔皇「あとホワイト、オレンジ、ピンクは吾が持っている!」
鏖魔皇「――さあ! 殺し合いを始めよう!」
勇者「ちょっとタイム」
鏖魔皇「うん、あ、あぁ……?」
勇者「……集合」
魔法使い「ん」
僧侶「はい」
勇者「――もうさ、全部あいつに集めさせればよかったよね」
魔法使い「身も蓋もない」
僧侶「ああ、擦り切れてはいけません……」
勇者「だってそうじゃない? 適当に三つくらい集めとけばさ……」
魔法使い「はあ。それ、アイツがバカだから成り立つのよ」
僧侶「……と言いますと?」
魔法使い「クリスタルの収集が魔王の命に関わると知ってたんでしょ?」
魔法使い「なら、隠すなり壊すなりすればよかったのにって」
僧侶「あ……それもそうですね」
勇者「つまり僕たち……バカに救われたってこと?」
魔法使い「……。」
僧侶「……。」
勇者「……。」
勇者「あとクリスタル多すぎでしょ、びっくりなんだけど」
僧侶「いつかそんな話もしましたね……」
魔法使い「まだアタシたち、半分強しか集めてなかったってことよね」
勇者「こういうのはボス倒せば勝手に集まるかなって……」
僧侶「セオリーですものね」
魔法使い「そんなワケないでしょ……サーフィン大会とかあったのに」
勇者「何と言うか……」
勇者「つくづく、助けられてるね」
魔法使い「……。」
僧侶「……。」
勇者「……。」
鏖魔皇「話は終わったか?」
勇者「うん。本当に感謝しています」
鏖魔皇「は……?」
勇者「それはそれとして、お前は殺します」
鏖魔皇「! そうか‼」
鏖魔皇「――久しぶりに血沸き肉躍る戦いが楽しめそうだ!」
勇者「それじゃ行こっか。――マスターバスター」
死まで、あと12日




