88.
魔法使い「こいつら、倒しても倒しても湧いてくるんだけど!」
勇者「鏖魔皇の城の道中で、まさかこんなことになるなんてね……」
僧侶「休憩する暇もありませんね」
魔法使い「何とかしなさいよ、アンタ勇者でしょ」
勇者「稀に見る無茶振り!」
勇者「……僧侶、何かいい案ない?」
僧侶「私ですか⁉」
勇者「頼むよ~」
僧侶「……っ」
僧侶「……軍団にしては、統率がなさすぎますね」
魔法使い「言われてみれば。突っ込んでくるだけよね」
勇者「だから耐えられてるって話でもあるけどさ」
僧侶「仮説ですが、こちらを数で圧倒したいのではないでしょうか」
勇者「……どういうこと?」
魔法使い「あくまでも消耗が目的ってこと?」
僧侶「質ではなく量を重視した戦法……」
僧侶「突撃だけで大丈夫なら……」
僧侶「……魔物でなくても、成り立つ?」
勇者「……つまり?」
僧侶「――わかんなくなっちゃいました」
勇者「あぁ……」
魔法使い「いや、分かったかも」
僧侶「⁉」
魔法使い「ちょっと着いてきて!」
僧侶「ど、どちらへ⁉」
勇者「今は魔法使いを信じよう、走るよ!」
僧侶「は、はい……!」
勇者「マスターバスター!」
魔法使い「よし! 壊れたわね」
僧侶「……まさか、魔物を生み出す核があったなんて」
魔法使い「肉体錬成は簡単なのよね、問題は意思の付与で」
勇者「魔物の無限湧きも止まったよ!」
魔法使い「……こんな七面倒くさいことするヤツを、成敗しましょうか」
勇者「うん!」
僧侶「……。」
魔法使い「どうしたの、早くしないと本物の軍団に囲まれるわよ」
僧侶「い、今行きます……」
僧侶「……。」
僧侶「また、役に立てなかった……」
死まで、あと13日




