87.
魔法使い「つーかーれーたー」
勇者「もう少しでお花畑だよ! でしょ?」
僧侶「はい。群生地はこの崖の上だと聞いています」
魔法使い「幻の花なんてホントにあるのかしら……」
勇者「あると信じればあるんだよ!」
魔法使い「何よなんか汗臭い言葉ね」
僧侶「どうどう……」
勇者「残すは崖のぼりだけ……とは言うけどさ」
僧侶「これを自力で登るのは、かなり難しそうです」
勇者「……。」
僧侶「……。」
魔法使い「な、なによ二人してアタシを見て」
勇者「……。」
勇者「魔法都市で見た空中運搬、すごかったなー」
僧侶「まさか物を浮かせることができるなんてー」
魔法使い「……?」
勇者「もし人間にもできたら、上までひとっ飛びなのになー」
僧侶「デスネー」
魔法使い「あ。アタシに魔法使えって言ってる?」
勇者「そこまでは言ってないよー、でも楽したいなー」
魔法使い「使えってことじゃない!」
僧侶「ここまで歩いて疲れてますし、お願いできませんか?」
魔法使い「アタシだって疲れてるわよ!」
勇者「ちょちょいとやるだけだからさ……ね?」
魔法使い「……。」
魔法使い「――あーもうしょうがないわね! ほいっとな!」
僧侶「……思っていたより、地味ですね」
勇者「うん……」
魔法使い「幻の花は咲いてたけど、まさかここまでしょぼいとは」
勇者「色味がね、悪いよね……」
魔法使い「……せめて、路銀にならないかしら」
僧侶「この分では買手がつくかどうか……」
魔法使い「そうよね……」
僧侶「……。」
勇者「……。」
魔法使い「……。」
死まで、あと14日




