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8.

勇者「あっ、ゴールドゴーレムだ!」


戦士「倒すと金貨がガッポガッポだぜ」


魔法使い「ここはアタシに任せて。ファイア!」


僧侶「――やりました! お金、ゲットですっ!」


戦士「……なあ、ずっと疑問だったんだが」



戦士「どうして魔物を倒すと、(かね)を落とすんだ?」



魔法使い「……さあ? 考えたこともなかったわ」


僧侶「言われてみれば確かに。魔物も貨幣を使うのでしょうか?」


勇者「ならどこかに魔物の街があるってこと? ブキミ……」


戦士「貨幣経済を理解できるほど賢いのは、魔物の中でも稀だろ」


僧侶「だから手っ取り早い食料の確保として、人間や動物が狙われるのですね」


魔法使い「じゃあ、どうして?」


戦士「だぁから、それが分からねぇから長年の疑問なんだよ」



勇者「うーん……あ」


戦士「お、何か思い浮かんだか?」


勇者「いや。――落とすお金の種類と魔物の種類って関係あるなって」


僧侶「関係、ですか?」


勇者「うん。例えばさ、弱いスライムなんかはせいぜいが銅貨じゃん」


魔法使い「そうね。その位の強さのヤツは、皆そんな感じ」


勇者「でもこの前のデュラハンは、銀貨を落としたよね?」


戦士「ああ。それで言うとジャルラは金貨まで落としやがったよな」


勇者「ゴールドゴーレムも強くはないけど、かなり珍しい魔物だからさ……」


僧侶「――ハッ! 強さや珍しさが高いほど、落とす硬貨の価値も上がります!」


魔法使い「……で? だから何よ」


勇者「うんん、わかんなくなっちゃった……」


魔法使い「何だ、期待して損した」


戦士「――いや。勇者のおかげで、思いついたぜ」


僧侶「何を思いついたのですか?」


戦士「俺たちは、見方が逆だったんだ」


魔法使い「見方ぁ?」


戦士「ああ。――俺らが使う貨幣は、魔物が落とす物でも可。そうだよな?」


僧侶「ええ、そうですが……」


戦士「ならこうも考えられる。魔物が落とす物を貨幣と見なす(・・・・・・)ことが可能だ、と」


魔法使い「――あっ!」


戦士「そう。元々これは人工の硬貨じゃなくて、魔物の素材だったんだ」


僧侶「人類は強くて珍しい魔物が落とす物を、より価値の高いものと考えた……」


戦士「その通り。つまり魔物を倒すと(かね)を落とすのは――」


勇者「そもそも魔物を倒すと落とす素材を、お金として使い始めたから!」


戦士「……うん。それ、俺が言いたかったなぁ……」


魔法使い「あー。なんかスッキリしたわ」


戦士「ま、あくまで仮説だけどな」


僧侶「最初に思いついた方は、もう亡くなっているでしょうしね」


勇者「でもそのおかげで、こうして路銀には困らないからありがたいよね」


戦士「疲れはするけどな!」


魔法使い「アンタはもう少し張り切ンなさいよ‼」


僧侶「――……皆さん、落ち着いて聞いてください」


魔法使い「どうしたのよ、改まって」


僧侶「良いお知らせと悪いお知らせ、どちらから聞きたいですか」


戦士「そりゃ良い方だろ!」


魔法使い「はあ⁉ 普通悪い方に決まってるじゃない、ねえ?」


勇者「僕、頭使って疲れたから、僧侶の言いたい方から先に言ってほしいな……」


魔法使い「なによその腑抜けた選択肢……そんなのアリ?」


僧侶「では勇者様に従って、良いお知らせからお伝えします」


戦士「おう、なんだなんだ」



僧侶「ゴールドゴーレムを、新たに発見しました」



魔法使い「⁉ ガッポガッポのチャンスじゃない、どこよ⁉」


僧侶「続けて悪いお知らせを……」


魔法使い「ねぇそんなのいいから早く魔物の居場所を――」



僧侶「――ゴールドゴーレムの群れに、囲まれました」



魔法使い「……は?」


戦士「ぶわはははは! 一攫千金だ、張り切っていこう、な!」


魔法使い「ちょっ肩組まないでよ、というか多勢に無勢じゃないのよっ⁉」


勇者「ゴールドゴーレムはたまに宝箱を落とすんだ。このチャンスは逃せない!」


魔法使い「あーもう勇者まで! ボロボロになっても知らないんだからね‼」


僧侶「そうなったら私が回復してさしあげますよ♪」


戦士「しゃあっ! 行こうぜ、フィーバータイムだ‼」

死まで、あと93日

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