7.
勇者「これが、レッドクリスタル……すごく綺麗だね」
魔法使い「魔王城の障壁を壊すのに必要な宝具、だったわよね」
僧侶「先程の国の王様がくださって助かりました」
戦士「聞きそびれてたが、クリスタルって全部でいくつあるんだ?」
魔法使い「確かに。この石、魔力は異質だけど量は大したことないもの」
勇者「えーと、言い伝えだと確か――」
勇者「九つ、だったかな?」
僧侶「まあまあありますね」
戦士「まあまああるな」
魔法使い「まあまああるじゃないのよ」
勇者「……改めて考えると、うん。ちょっと多いかも?」
戦士「じゃまとめると、俺たちが世界平和を成し遂げるには――」
僧侶「人類の平和を脅かす魔王軍、及び七魔皇を倒しつつ」
魔法使い「クリスタルを九つ集めて魔王を滅ぼす……」
魔法使い「……やっぱりなンか、微妙に数が多くない?」
戦士「おいおい、今更冷静になるなよ」
僧侶「そうです。我々は何があっても勇者様についていくと決めたのですから」
魔法使い「いや、そうだけどさあ……」
勇者「魔法使いは、長旅はイヤ?」
魔法使い「う、何でそんな言い方するのよ」
勇者「……僕たちとの旅、早く終わらせたいのかなって」
魔法使い「――……そうは、言ってないでしょ」
勇者「ならよかった。じゃあ休憩は終わりにして、また歩き始めよっか!」
戦士「なぁー、あとちょっとだけ休ませてくれねぇかぁ?」
僧侶「充分お寛ぎなように見えましたが。さ、日が暮れないうちに行きますよ」
勇者「立って立って。僕たちには、出来ることがいっぱい待ってるんだから」
魔法使い(アタシたちには、やれることがいっぱいある……か)
魔法使い(この子、本当に純真なのね)
戦士「おいガキ、お前も早く立て。俺の方が先に立っちまったぞ」
魔法使い「はぁ? アタシも今、立とうとしたところだったんだけど?」
僧侶「け、ケンカはやめてください……!」
勇者「ふふっ。喧嘩するほど仲がいいって言葉があるけど、二人にぴったりだね」
戦士「仲良くなんかねェ!」
魔法使い「仲良くなんかないわよ!」
僧侶「……あら。息ぴったり」
勇者「あはは。じゃあ僕は先に行ってるねー!」
戦士「こらぁ、はしゃぎすぎるなよー」
僧侶「あ、ま、待ってください~」
魔法使い(――ま。ちょっとだけ旅が長くなるくらいなら……)
魔法使い(それも悪くないかも?)
勇者「すっげー、こっちに遺跡の入り口がある―っ! 行ってきまーす‼」
魔法使い「……こういうとこは、早く終わってほしいわね」
死まで、あと94日




