25.
戦士「転職、考えた方がいいのかなぁ……」
魔法使い「何ヘコんでんのよ、ブキミね」
戦士「元はと言えばオメーに言われたからだろうがよ!」
魔法使い「失礼ね、勇者だって言ってたじゃないのよ」
戦士「勇者は、いいんだ」
魔法使い「アンタ、甘いとかいうレベルじゃないわよ……」
戦士「はぁ。何となくこの先が不安になってきたぜ――」
魔法使い「なら、ちょうど神殿もあるし寄ってみる?」
戦士「うーむ、聞くだけならタダか……」
神官「いらっしゃいませ! 転職希望の方ですか?」
戦士「ここだと何の職業になれるんだ?」
神官「一般的な職業であれば、一通り大丈夫ですよ」
魔法使い「あら、よかったじゃない」
戦士「まだ転職するとは言ってねぇからな」
神官「戦士の転職先であれば、武闘家やレンジャーが人気です」
戦士「そうだな、どうせならもう少し器用なことがしたいな」
魔法使い「なによ。意外にノリノリじゃない?」
戦士「あくまで仮定の話だ」
神官「では、遊び人や盗賊はいかがでしょう?」
戦士「――……なあ、思うんだけどよ」
魔法使い「何、小声になって」
戦士「どうして神聖な職業に『遊び人』だの『盗賊』だのがあるんだ?」
魔法使い「アタシに言われても知らないわよ」
戦士「遊び人に至っては、職業ですらないような気がするんだが……」
魔法使い「何でも極めればプロってことよ、たぶん」
戦士「そういうもんか……?」
魔法使い「だからアンタも、さっさと剣技を極めなさいよ」
戦士「俺は胸張って戦士やっとるわ!」
神官「お決まりですか?」
戦士「……またの機会にする。ありがとよ」
魔法使い「どうせならしちゃえば良かったのに」
戦士「俺はこの力で勇者を守るって決めたんだ、今更変えられるもんか」
魔法使い「……そう」
戦士「付き合わせて悪かったな。どうだ、今から一杯行くか?」
魔法使い「そんなお金ないでしょ」
戦士「それがあるんだな、ほら」
魔法使い「! ……また何か売ったわね」
戦士「ダァッハッハ! 無用の長物は酒代にするに限る!」
魔法使い「全くもう。――それで? いい店知ってるの?」
戦士「俺を誰だと思ってるんだ、ガキ。この町に来た時にマーク済みだ」
魔法使い「――じゃ、僧侶にバレないうちに」
戦士「おう。ちょっくら休憩と行こうぜ!」
死まで、あと76日




