23.
勇者「七魔皇、機魔皇グリスの城……厄介なトラップが多いね」
戦士「コンベアーに道を塞ぐバリア、簡単には辿り着けねぇな」
魔法使い「ちょっと! 無駄話してる暇があったら手伝って!」
僧侶「ま、魔物を抑えきれません~っ‼」
勇者「――えいやぁッ!」
戦士「おお、流石だなガキんちょ」
僧侶「……ですが仕掛けがまだこんなに」
魔法使い「キリが無いわね……」
勇者「ねえ、思うんだけどさ」
戦士「なんだ」
勇者「グリスも、不便じゃないのかな?」
魔法使い「……ハァ?」
勇者「だって中を出歩く度にこれを避けなきゃならないんでしょ?」
僧侶「確かに……いちいち自動床を考慮するのは疲れそうです」
戦士「それはほら、慣れてるんじゃないのか? 仮にも自分の家だし」
勇者「だとしても入り口まで遠くない? 僕ら結構歩いたよ」
魔法使い「まあ、それは否定できないわね……」
戦士「出るときは……迷宮脱出魔法でも使ってるんじゃないのか?」
勇者「いちいち?」
戦士「……うーん」
僧侶「もしそうでも、入る時は私たちと同じ道を通るはずですから……」
勇者「結局、不便なのは変わらないよ」
魔法使い「はあ。魔物の城って、こういうモンじゃないの?」
勇者「そうかな……」
戦士「クソッ、グリスがどうやって生活してンのか気になってきたぜ」
魔法使い「まあ、ちょっと消耗も激しいし一度脱出しましょうか。――ほいっと」
勇者「迷宮脱出魔法……やっぱり毎回使ってるのかな」
魔法使い「なら相当バカね」
僧侶「はーい、治療はこちらですよー」
戦士「勇者、呼ばれてンぞ」
勇者「戦士のことでしょ」
僧侶「何をブツブツ仰ってるんですか?」
勇者「――先に戦士やっといて! 僕は逃げる!」
戦士「あっ、こら待てクソガキ‼」
勇者「……あれ。ねえ、ちょっとこれ見てよ」
魔法使い「どうしたのよ変な顔して……。ん? これって」
戦士「――うおっ、お手柄だな勇者」
僧侶「まあ!」
勇者「……裏口、あるんだ」
死まで、あと78日




