21.
僧侶「この銅像はどなたでしょうか?」
村人「それはこの村を救ってくださった、英雄様の像でございます」
僧侶「英雄様……ですか?」
村人「はい。お分かりの通り、ここは魔物に襲われやすい立地でして」
僧侶「私たちがお力になれたのならよかったです」
村人「今回のような魔物の群れを、単身で退治してくださったのですよ」
僧侶「すごい方なのですね……」
村人「ええ。装備も整っていない中、果敢に立ち向かってくださいました」
僧侶「そういえば何か手に持っていますね、なんですか?」
村人「ああ、英雄様の武器ですね」
僧侶「随分とその……質素ですね?」
村人「ヒノキの棒ですからね」
僧侶「ヒノキの棒⁉」
村人「はい。英雄様はこの武器でオークをばったばったとなぎ倒し――」
僧侶「化け物ですね……では左手の盾も?」
村人「お鍋の蓋です。英雄様はこの盾でフェンリルの爪を弾き返し――」
僧侶「えぇ……?」
村人「しかも布の服、布のズボンという出で立ちでございました」
僧侶「同じ人間とは思えませんね……」
村人「先程の勇者様も同じことが出来るのではないですか?」
僧侶「流石にそれは難しいと思います……あはは……」
勇者「僧侶! ――と村人さん。何話してるの?」
僧侶「かくかくしかじか、ということを」
勇者「うーん、なるほどね」
村人「老いぼれの願いが叶うのならば、再び英雄様の雄姿を見たいのですが……」
勇者「勇者の剣も盾もあるのに、そんな危ない事したくないな」
僧侶「ああ! そのお年で擦り切れてはいけません……」
死まで、あと80日




