Log 45:烏のいない黄昏空
「みんななにたのむ〜?」
「今日ガチ楽しかったわ!カラオケしか行ってねえけどまさか6時間もいるとは思わなかった。」
「それな、俺らいすぎw」
「特にまこっちの初カラオケがマジで面白かった!」
「ね〜だから何頼む〜?」
「まじでそれをぶり返すなよ。」
「なんでよいいじゃぁん?」
「よし、また今度カラオケ行くしかねぇな。」
「だから何頼むんだよ〜!」
「また行くのか?まあいいけどさ。」
「行くしかねぇだろ!」
「みんなノリ気なんだから、まこっちちゃんと来てね?」
「…もういい…私だけ頼む…。」
「ごめんごめんて!」
◆◆◆
「本当に…やるんですか。」
「…迷ってるナァ…。」
とある商店街の一角に、不穏な空気が流れ始める。
相変わらず過疎が進む商店街に、カラスの羽数だけが増えていく。
それを象徴するかのように、
黄昏に混じるカラスの量は増えてきた。
「“彼”にメッセージするんだナァ…。」
「了解しました…。」
悪役のような不適な笑みは浮かばず、
焦燥と困惑、そして憎しみの渋顔がそこを染めた。
「…不本意極まりないナァ…。」
◆◆◆
「だからさ、やっぱりクリスマスイベントはやるべきだと思うんよ俺は。」
「真面目だなぁ篤は。俺は一旦それ忘れて楽しみたいわ。」
「本気になれや!」
「いや本気は本気だけど…。」
「ってなると名前は何になるんだろ〜?」
「…なんも思いつかない。」
「よし、まこっちが思いつかないなら却下!」
「いやなんでだよ。」
「んでも、これから先イベントはたくさんやってくるわけだろ?まじで気合い入れねぇとな!」
「その時その時で考えればよくね?」
「それじゃ遅いんだよ。イベントの計画は1ヶ月前ぐらいには組んどかないと。今回はたまたま沙羅がバカみたいな発注したからできたけど…。」
「そっかぁ、ならそろそろクリスマスのイベントも考えなきゃじゃない!」
「だからそー言ってんだろ。」
「はぁにしても今年もクリぼっちかぁ…。」
「え?あっつんがクリぼっちから抜け出すなんて考えてるんだ?」
「は?黙れよ!」
「ごめんごめんw」
「そういう雫だって回避したことないくせに!」
「一言余計なのよあんたね!」
「まあまあ…あんましょうもないことで騒ぐなよw」
「雄志、お前気になってる人とかいないのかよ?」
「なっなんだよ急に!」
「はぁん、これはいる反応だぜ。」
「な、なわけねぇだろ!」
「しょうもないなんて言うなよ、これは俺の人生の課題なんだよっ!」
「回避できる時来るといいね〜…って、ゆーちん気になってる人いるの!?」
「い、いるには…ね。」
「ええ!?俺ネタで言ったつもりだったけど!?」
「雄志のタイプなら…ネタとかが通じる系だな。」
「ま、誠まで分析すんな!」
「え〜気になるかも〜!」
「沙羅まで…。」
「おい、もう言っちゃえよ!」
「ハンバーグステーキです。」
「…あ、ありがとうございます…。」
「ごゆっくり〜。」
「おい誰だよw」
「僕だよ!」
「お前かよ!」
「…ほ、他のクラスにいるからわかんねぇよ…。」
「まじかそれはわかんねぇな…悔しいぜ。」
「なんか意外と沙羅とか気になってる人いそうじゃない?」
「えっ私!?!?」
「沙羅のタイプなら…真面目そうなのだろうな。」
「ま、誠くんまで…!」
「おっいる反応だな?」
「言っちゃえよ!」
「い、いや…その…!」
「モッツァレラチーズのピザになります〜。」
「あ、ありがとうございます…。」
「ごゆっくり〜。」
「…あの店員狙ってんだろおい!w」
「僕だよ!」
「お前かよ!」
「…で、誰なの?」
「い、言わない!」
「えー!言えよ〜!」
「ここで逃げるか…。」
「逃げるって…!そういう誠くんが一番気になってる人隠してるんじゃないの!」
「誠にいるわけねぇと思ったけど…満更でもなさそうだなおい!」
「い、いるわけないだろ。そんなものに時間も金も使いたくない。」
「こ、これはマジっぽいな。」
「アイスクリームになります。」
「あ、ありがとうございます…。」
「ごゆっくり〜。」
「食後はっや!誰だよ!」
「…。えっ誰?ゆーちん違う?まこっちも?沙羅も?私も違うよ?」
「俺だよ!」
「お前かよ!」
「ちょっと僕ドリンクバーいくからどけ。」
「お、おうすまん!」
「…あいつ逃げたな。」
「うん、逃げた。」
「あれは逃げてる。」
「詰めるぞ。」
「とりあえずあいつのハンバーグを一切れいただいて…。」
「おいやめとけ!w」
「代わりに俺のチキンを添える…。」
「そこは優しいのかよおいw」
「でもさ、正味どうなの?みんないる?」
「私…気になってる人は…いる。」
「………!?」
「………!?」
「………!?」
「…な、何その顔。」
「いや爆弾投下すんなよ!?」
「俺は応援するぞ?」
「でも行き詰まったら私とかに相談してね?こいつら恋愛IQ0だからね?…で誰!?」
「いや教えないけど!」
「そんなぁ…。」
「ってか恋愛IQ0だと!?ひでえな!」
「雄志と違って俺元カノいるから!」
「え、1週間で別れたあっつんの伝説の?」
「いやだまれ!」
「1週間がなんだって?」
「お、帰ってきた。…ってなにそれ。」
「?コーラを3倍に希釈したものだけど。」
「きっっっしょ!」
「あぁん?なんだって?」
「いやごめんて!」
「…てか誠、話題から逃げただろ。」
「逃げてはないけども?」
「なら、気になってる人教えろよ。」
「いねぇって。」
「…ほんとかなぁ…?」
「てかこの前のテストやばくね?」
「いや温度差えぐい!」
「でも確かにやばいよね。体育祭の2日後からテストとか頭おかしいんじゃないのって感じ!」
「まぁいつも準備しときゃ焦ることもないぞ。」
「お、お前はいいよな!」
「あ?頑張ってるだけだぞ。」
「…くそ、否定できねぇ…!」
「でさ、今回の公共のテスト範囲で店の企画思いついてさ!」
「お、いいね!」
「それが…」




