46/48
小さな探検
「あ、ヒビが」散歩中は携帯やパソコン等の電子機器を使わないので、普段は中々できない考え事であったり、いつもは気づかない些細なことに気づけることが多い。今だって、普段は何気無く歩いているコンクリートのヒビ割れに何と無く目が行った。ヒビはそう深くないのに暗い。開いた隙間から首を伸ばす雑草は溢れんばかりの生命力に満ちているように見えた。根元の闇を追っていくと、ヒビは蜘蛛の巣のように広がっていた。僕は何と無く後退る。屈んだ状態からちゃんと立ち上がって少々上から見下ろすと、その地表の蜘蛛の巣をしかと確認できた。刻み込まれたヒビを見つめていると、何だかそれが大峡谷のように見えて、峡谷がとめどなくこちらに向かって割れてくる錯覚に襲われた。何気無い日常の中で観察をしてみると、良いことも悪いこともふとしたことに気づくことがある。時に感動したり、時にハラハラしたり、危機や恐怖に慄いたりと、まるで散歩は冒険のようだ、と思った。
世界を見に行こう。
お読みいただきありがとうございます。
同じネームでTwitterをやっています。投稿報告の他、無益な日常や推しについて呟いています。物好きな方はフォローしていただけると嬉しいです。感想等もお待ちしております。




