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優しい銃弾

「<優しい銃弾>?」僕は思わず彼女の言葉を聞き返した。すると、画面越しの彼女は一口サイズの四角いチョコレートを口に放った。『うん、別に深い意味は無いけどさ。あったら良いなあって』彼女は欠伸を零した。美麗な翼の背後に見える大きな窓からは、青白い月明かりが差し込んでいた。「つまり、人を殺すことのできない何らかの銃弾が欲しいってことかい?」僕の返答に、彼女はゆっくり大きく頷いた。『そ。例えば、着弾すると服従するとか。口に入ったら仲間になるチョコレート弾、みたいな!』楽しそうに冗談を言う彼女に、僕は頬が綻んだ。「ふうん……」コーヒーを口に運ぶ僕に、彼女はむうっとした表情を浮かべてから言った。目蓋は下がり気味で、眠そうな様子だった。『だってさ、傷付けること無く人物を無力化できたら、理想的じゃない?』少し考えてから返答した。「まあ、そりゃあそうだけど。確かに平和的──」苦笑した自分の顔が、ちらっと画面の宵闇に反射して見えた。『──もったいなくなくて良いじゃん? 折角の人的資源になり得る存在なんだから、殺さずに捕虜にでもできればさ』眠たそうな彼女に、僕は畏敬の念を抱きながら苦笑した。

優しい=傷つかない?


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