カーテンの隙間
「カーテンに隙間があるのが苦手でさぁ」僕がそう言うと、彼は笑った。几帳面だと笑う彼に僕は少し腹を立て「違う」と強く否定してから説明し出した。昔から僕はカーテンの隙間が苦手というか、怖かった。特に夜。ほんの僅かな隙間から覗く夜の闇が、やけに暗くて怖い。カーテンに隙間があると、何だかその隙間から誰かが覗いている気がした。そのことを話すと大抵笑われる。怖いので基本的にカーテンはしっかり閉めるのだが、つい最近、カーテンに隙間があった。ちゃんと閉めたつもりだったし確認もした筈なのにどうして、と思って、取り敢えず近付いた。怖いもの見たさと言おうか何だか覗いてみたくなって、でも怖いから左目を瞑り恐る恐る右目で覗いた。そうしたら──驚き過ぎて息が止まった。そこには……赤味掛かった瞳があったから。「でもさ、少しして思い直して。あれ、ガラスに映った僕の眼だよね。怖かったから、もう絶対覗かないけど」苦笑しながらそう語ると、目の前の彼は顔を真っ青にして、僕の眼を見詰めていた。どうしたの、と問うても、彼は「分からない方が良い」と答えるだけ。彼の震える瞳には、右が金色・左が赤色の瞳をした僕が映っていた。
鏡写し。
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