下らない夢
「……んん、六時間睡眠か。」眠りからは覚めたものの、未だ僕が居るのは、夢と現実を別つ境界線の丁度真上だったので、毛布に包まりながらぼうっとする。柔い感触と落ち着く匂いが心地良かった。数分そうしていると、いつの間にか意識は覚醒し切っていて、起き上がり色々と生命活動をする。すると、ふと思うことがあった。「どんな夢を見ていたんだっけ。」呟きながら眉間に力が入るのを感じた。オーブントースターの中を眺めながら、思い出そうと記憶を辿る。夢を見たことは分かっている、だが、肝心の内容が思い出せそうに無かった。夢を見たという感覚だけはあっても、内容の部分が一切抜け落ちていることが多いのは何故なのだろう。悪夢はかなり前に見たものでも良く覚えているというのに……全く、皮肉なものだ。僕が覚えていたいのはそんな夢じゃなく、ありふれていて謎だらけで、下らない夢──。チン、という高い音が僕を現実に引き戻した。目の前にあったのは、バターがじゅわああと溶けて良い塩梅の焦げ目ができた、夢のようなトーストで、僕は夢見心地になってしまった。
何の変哲も無い夢。
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