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自分に一番合う本
「そうだ、思い出した。」特に何でも無いときに、重要なことも何でも無いことも思い出すものである。今回は後者、思い出しても特に影響の無いことを、ふと何のきっかけも無く思い出したのであった。かなり昔、不思議な書店があって、噂頼りに訪れた。名前は思い出す由も無いが、そこには『自分に一番合う本』が現れる書見台があったのだ。他人の体験談によると、人生で一番大好きな本が現れたり、自分が学生時代に書き綴った痛々しい小説擬きが製本されて現れたという人も居た。そこで僕の話に移るが、僕の目の前には何枚も積まれた白紙の原稿用紙と鉛筆一本が現れた。最早本ではなく困惑したことを、はっきりと思い出したのだ。どうして僕にはこんな物が現れたのか、今でも全く分からない。だが、これはきっと僕の人生への最大の称讃、これから続く永い時の指針、活力なのだろうと思った。
無いなら生み出せば良い。これからの時間で。
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