表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/48

ミニウシ

「可愛い……。」僕の膝の上で足を折り畳んで撫でられるがままになっているのは、とても小さな牛。子牛にしても小さいそれは、近年流行しているミニウシだ。通常種の何倍も小さいこの牛は、ペットとしての人気も高いそうで、僕も友人の話を聞いて興味が湧き、こうしてぺットショップに訪れていた。確かにこれは可愛い、世間が騒ぐのも納得だ。だが、僕が一番興味をそそられたのはそこでは無い、確かに可愛いが。何とこのミニウシ、育つとちゃんとミルクを出すようになるのだ。一度に産む子の数は大抵一頭なので、コストもタスクも余りかからない。今は便利な世の中で、ミニウシ専用の搾乳機も売っている。帰る僕はミニウシを抱えていた。確り契約書にもサインをした。最期の時まで世話しぬく覚悟もあった。因みに名前は「ポチ」だ、額にぽちっと黒い点があったから。このミニウシ、体の大きさは全く違うのに、成長速度は通常種とそう変わらない。彼女の育つ速度はそれこそ牛歩だが、その時までじっくり待とう。時間の流れは存外短いものだから。その目測どおり、その時はそうせずにやってきてしまった。彼女は生涯一滴もミルクを出すことは無かった。長いようで短い時間を経て、いつの間にか、彼女は僕にとって大切な娘のような存在になっていたのかもしれない。

牛歩でも一歩ずつ。


お読みいただきありがとうございます。

同じネームでTwitterをやっています。投稿報告の他、無益な日常や推しについて呟いています。物好きな方はフォローしていただけると嬉しいです。感想等もお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ