表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢レティシアは怒っていた  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/36

第24話 国家断罪

王都大法廷。


王国最大の裁判場。


巨大な石造りの建物の前には、朝から人が集まっていた。


貴族。


議員。


商人。


市民。


そして新聞記者。


広場は人で埋め尽くされている。


ざわめきが止まらない。


「本当にやるのか?」


「ローディア侯爵だぞ」


「国家断罪らしい」


「断罪アカデミーが担当だって」


「学生の学校だろ?」


誰もが半信半疑だった。


だが。


その扉が開いた瞬間。


群衆は静まり返った。


王都大法廷。


内部。


巨大な法廷には三つの席がある。


中央――断罪官席。


右――被告席。


左――証人席。


観客席には数百人の人々が座っていた。


貴族議員たち。


王国官僚。


そして新聞記者。


誰もが今日の裁判を見に来ていた。


史上最大の裁判。


国家断罪


そのとき。


扉が開く。


法廷の全員が振り向いた。


静かな足音。


石の床を歩く音。


現れたのは――


レティシア・グランベル。


黒い法衣をまとい、ゆっくりと中央へ歩く。


その後ろには学生たちが続いていた。


レオン。


リリス。


フィオナ。


クラリス。


そして王子アルフレッド。


観客席がざわめく。


「あれが断罪官…」


「若すぎる」


「本当にあの令嬢なのか」


レティシアは一切気にしない。


中央の席に立つ。


そして静かに座った。


学生たちはその後ろの席につく。


リリスが小声で言う。


「すごい人数…」


フィオナ


「完全に劇場」


レオン


「歴史の瞬間ですね」


王子は深く息を吐いた。


「胃が痛い」


そのとき。


反対側の扉が開く。


被告が入ってきた。


ローディア侯爵。


五十代の男。


豪華な衣装。


堂々とした態度。


その胸には家紋。


紅薔薇


観客席がざわめく。


侯爵はゆっくり席に座った。


その表情には余裕がある。


王子が呟く。


「…余裕だな」


レオン


「証拠が消えている可能性があります」


その通りだった。


今回の事件。


すでに異常が起きている。


証人が消えた。


証拠が消えた。


書類が消えた。


政治圧力もある。


貴族議員の一人が小声で言う。


「この裁判は無意味だ」


「侯爵を裁けるわけがない」


しかし。


レティシアは動じない。


そのとき。


別の扉が開いた。


新たな客が入ってくる。


帝国使節団。


先頭にいるのは――


グラディウス卿。


帝国法務大臣。


冷たい視線で法廷を見渡す。


その後ろには。


カサンドラ。


彼女は観客席に座る。


腕を組みながら静かに呟く。


「さて」


その目は法廷中央を見ていた。


レティシア。


「あなたは」


小さく笑う。


「どう裁くのかしら」


法廷は静まり返っていた。


誰もが待っている。


歴史の瞬間を。


そのとき。


レティシアがゆっくり立ち上がった。


法廷の全員が注目する。


彼女は法廷を見渡した。


貴族。


市民。


帝国使節団。


そして被告。


ローディア侯爵。


沈黙。


レティシアは静かに言った。


「これより」


声は大きくない。


だが。


法廷の隅まで届く。


「国家断罪を開始します」


その瞬間。


王都大法廷は――


完全な沈黙に包まれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ