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悪役令嬢レティシアは怒っていた  作者: 南蛇井


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第16話 帝国式断罪

断罪アカデミーの講義室。


その日の授業は、いつもより静かな空気で始まった。


前回の討論――


断罪とは何か。


その議論は、まだ学生たちの頭の中に残っていた。


 


レオンはノートを見ながら言う。


 


「国家の武器か…」


 


リリスは腕を組んでいる。


 


「正義の最終手段の方がかっこいいわ」


 


フィオナ


「どっちも劇的だけど」


 


王子アルフレッドは椅子にもたれた。


 


「正直どっちも怖い」


 


そのとき。


 


カサンドラが静かに立ち上がった。


 


学生たちの視線が集まる。


 


カサンドラは教壇の方を見る。


 


「提案があるわ」


 


レティシア


「聞きます」


 


カサンドラは言った。


 


「帝国式断罪を見せる」


 


教室がざわつく。


 


リリス


「帝国式?」


 


レオン


「興味あります」


 


王子は嫌な顔をした。


 


「嫌な予感しかしない」


 


レティシアは少し考えた。


 


そして言う。


 


「許可します」


 


カサンドラは小さく笑った。


 


「ありがとう」


 


彼女は教室の中央へ歩く。


 


机を動かし、簡単な法廷を作る。


 


王子が呟く。


 


「準備早いな」


 


カサンドラは学生を指名する。


 


「あなた」


 


一人の学生が前に出る。


 


「被告役」


 


学生


「え?」


 


次に別の学生。


 


「証人」


 


そしてもう一人。


 


「告発者」


 


即席の模擬裁判が始まった。


 


カサンドラが言う。


 


「開始」


 


告発者が言う。


 


「被告は倉庫の金貨を盗みました」


 


カサンドラ


「証拠」


 


証人が紙を出す。


 


「被告が倉庫にいた記録」


 


カサンドラは一瞬見る。


 


「被告」


 


被告役の学生が口を開こうとする。


 


しかし。


 


カサンドラは次の言葉を言った。


 


「結論」


 


教室が止まる。


 


カサンドラは静かに言う。


 


「有罪」


 


沈黙。


 


リリス


「え?」


 


レオン


「もう?」


 


フィオナ


「早すぎる!」


 


王子も目を丸くする。


 


「三十秒じゃないか」


 


カサンドラは平然としている。


 


「十分よ」


 


学生たちはざわめいた。


 


「早い…」


 


「判断速すぎる…」


 


そのとき。


 


レティシアが口を開いた。


 


「問題があります」


 


教室が静まる。


 


カサンドラは振り向く。


 


「何?」


 


レティシアは静かに言う。


 


「弁明権がありません」


 


被告役の学生も頷く。


 


「まだ何も言ってません」


 


カサンドラは肩をすくめた。


 


「必要ない」


 


教室が凍る。


 


カサンドラは続ける。


 


「証拠がある」


 


「疑いがある」


 


「それで十分」


 


レオンが言う。


 


「しかし冤罪の可能性が」


 


カサンドラは遮った。


 


「疑わしいなら排除」


 


静かな声。


 


「それが秩序を守る」


 


沈黙。


 


リリス


「怖い…」


 


フィオナ


「帝国ってそんな国なの?」


 


王子アルフレッドは頭を抱えた。


 


「それ」


 


少し考えてから言う。


 


「怖すぎない?」


 


カサンドラは微笑む。


 


「怖い?」


 


王子


「めちゃくちゃ怖い」


 


カサンドラは少しだけ首を傾げた。


 


「でも」


 


「早いでしょう?」


 


レオンが呟く。


 


「効率は高い…」


 


レティシアはカサンドラを見ていた。


 


その目は冷静だった。


 


「それは断罪ではありません」


 


カサンドラ


「では?」


 


レティシア


「処分です」


 


二人の視線がぶつかる。


 


帝国の合理。


 


王国の正義。


 


断罪の意味は――


 


まだ決着していない。

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