表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢レティシアは怒っていた  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/36

第12話 最初の圧力

断罪アカデミー。


その日の朝、学園の空気はどこか落ち着かなかった。


理由はすぐに分かった。


掲示板の前に学生たちが集まっていたからだ。


 


「え…」


「これ本当?」


「王宮から?」


 


ざわめきが広がっている。


 


リリスが人混みをかき分けて掲示板を見る。


 


そこには王宮の紋章が押された文書が貼られていた。


 


王宮通達


 


内容は短かった。


 


断罪アカデミーを

国家制度逸脱の疑いにより

調査対象とする


 


一瞬の沈黙。


 


そして――


 


「ええええ!?」


 


学生たちが一斉に騒ぎ出した。


 


「調査!?」


「学校なくなるの!?」


「え、私まだ授業三回しか受けてない!」


 


リリスが青ざめる。


 


「地下牢の授業まだなのに…」


 


レオンは冷静に文書を読んでいた。


 


「国家制度逸脱…」


 


「つまり」


 


「断罪教育が国家の権限を侵害している可能性」


 


フィオナが言う。


 


「それって」


 


「危険ってこと?」


 


レオンはうなずいた。


 


「政治問題です」


 


学生たちの顔色が変わる。


 


「政治!?」


「やばいやつだ!」


 


そのとき。


 


廊下の奥から足音がした。


 


レティシアだった。


 


学生たちは一斉に振り向く。


 


リリス


「レティシア様!」


 


「王宮から調査が!」


 


レティシアは掲示板を見る。


 


数秒。


 


そして言った。


 


「想定内です」


 


学生たち


「え?」


 


レティシアは平然としていた。


 


「断罪を教育する以上」


 


「政治的反発は当然です」


 


学生たちは顔を見合わせる。


 


王子アルフレッドが後ろから近づいてきた。


 


「いや」


 


「普通は学校作る前に考えるんだぞ」


 


レティシア


「考えました」


 


王子


「なら止めろよ」


 


レティシアは答えない。


 


そのとき。


 


小さな笑い声が聞こえた。


 


カサンドラだった。


 


彼女は壁にもたれながら、文書を見ている。


 


そして言った。


 


「ほら」


 


学生たちが振り向く。


 


カサンドラは微笑んだ。


 


「言ったでしょう」


 


静かな声。


 


「断罪は」


 


「政治なのよ」


 


廊下が静まり返る。


 


学生たちは二人を見る。


 


レティシア。


 


カサンドラ。


 


考え方が最も違う二人。


 


レティシアはゆっくりカサンドラを見る。


 


そして答えた。


 


「いいえ」


 


静かな声だった。


 


「断罪は」


 


少しの間。


 


「正義です」


 


カサンドラの目が細くなる。


 


レティシアの瞳は揺れない。


 


廊下の空気が変わる。


 


王子が小声で言う。


 


「また始まった」


 


レオン


「思想対立ですね」


 


二人の視線が交差する。


 


帝国の論理。


 


王国の正義。


 


断罪の意味。


 


そのすべてが、静かにぶつかっていた。


 


そして。


 


この衝突こそが――


 


断罪アカデミーを


さらに大きな嵐へ


導くことになる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ