第四話 目的地は『商業都市エルトゥス』(前編)
何とか……書き上がったので投稿致します
冒険者ギルド内で一夜を明かした、フィアナはレオナとの約束の時刻まで朝食を取りながら、待つことにした。ギルド内では、とある噂で冒険者達が何やら盛り上がっているのを耳にした。
「あの噂知っているか?」「あぁん?どの噂だよ」
フィアナは嫌な予感がしていた。
「昨日、北側の街道に全裸の女が出たんだとよ」
「商売女か?」「よく知らん」等と散々な言われようで、
品性の欠片もない、下品極まりない会話を冒険者達は繰り広げていた。元々はフィアナ自身が撒いた種だが、噂はどんどん広まりその内容は変異していった。
フィアナはこみ上げる怒りを抑えつつ、速やかに食事を済ませる。
「フィアナ〜ゴメン待った?」
「ううん、待っていないよ。さっきまで朝ごはん食べてたから」
「そっか、じゃあフィアナ一緒に『エルトゥス』に来てくれるかな?」
「えっ、エルトゥスまで行くの?」
エルトゥスといえば、国内外の様々な商品や商人と各地の珍しい特産品が行き交う国内最大の商業都市である。
片田舎のフェーンとは比べものにならない程、活気溢れる大都市なのだが……人が多い故にその手の店も多数存在するらしい。
「もちろんだよっ!今日は一日かけて荷物をまとめるよ~」
報酬として服と高そうなローブを受け取った手前断わる事は困難だった。
フィアナは、片田舎でのんびり生活するよりも仕事が多い大都市で地味に生活した方が良いのでは?と脳裏に浮かんだ。
「レオナ、エルトゥスまで何日くらいかかるの?」
「うーん、徒歩だと二週間位かな?馬車ならもう少し早いと思うけど」
ニ週間分の食料と諸々の荷物を一日かけて準備する様だ。フィアナはレオナと共に干し肉など日持ちする食料品を中心に買い出しをしてまわる。
「フィアナ、そろそろお昼にしない?」
「えっ、もうそんな時間なの」
フィアナは市場通りにある屋台で、のんびりと昼食取りながら、自分の今後について考えていた。
(冒険者として生活するよりも、働きながらでもいいからのんびりした生活が出来るよね?)フィアナは、今後自身が平凡な日常を送ることを夢見るがそれが叶う事はない。
「フィアナ、次は替えの服と下着を買いに行くよ~」
「替えの服と下着って、それ必要なの?」
「ボクは準備してあるけど、フィアナは必要でしょ?まさか――同じ服ずっと着るつもり?」
「うっ……それは……ちょっと嫌かな?」
流石に二週間近く同じ服を着るのは衛生的に良く無いので、フィアナはレオナに従うしかなった。
市場通りの外れにある服屋で安い服と下着を適当に買い込む。レオナからは可愛い服と下着を勧めれたのだが、手持ちが心許ないので安いセール品を購入した。
必要な物を一通り買い終わった、フィアナ達は宿屋へ向う。そして――翌朝、エルトゥスへ出発するため身体の休めるのだった。
その夜の事であるフィアナは再び不思議な夢を見た。
何も無い空間にフィアナは一人佇んでいた、すると、何処からともなくフィアナを呼ぶ声が聴こえた。
『私の事を呼んだの誰?』
『突然呼び出してごめんね~実はフィアナの欠けている記憶を思い出させてあげようと思ったんだけど、余計なお世話だったかな?』フィアナの前に現われたのは、レオナと瓜二つの不思議な雰囲気の少女だった。
『私は――思い出したい!』
『じゃあ、ボクの手を握って』
その少女の言う通りに手を握る。それと同時に激しい頭の痛みがフィアナを襲う。
『……っ!うぁぁぁぁぁ』
『もう少しだから、頑張って』
しばらくの間、痛みでもだえ苦しむフィアナだったが、不思議な事に頭の中がスッキリしていくのを実感する。
『はぁはぁ……』
『良く頑張ったね!フィアナ』
フィアナは、目の前にいる不思議な少女がどことなく、レオナ本人なのではないか?と思えた。
『フィアナ?キミが今思っている事の答え合わせをするね!キミが思っている通りボクはレオナだよ~』
『えっ?』
『厳密には、ボクは半神半魔なんだ!』
余りにも唐突な出来事に頭が全くついていかないフィアナだった。そう言い残すとレオナは姿を消した。
フィアナの情報処理能力が許容範囲を超えていた。
フィアナの頭が混乱したまま意識が覚醒し始める。夢か現実なのか曖昧な状態で出発の朝になった。
フィアナ達はお互いに言葉を交わすことはなく、宿屋を出発し目的地のエルトゥスを目指すのだった。
「レオナ、あの夢の事なんだけど……」
「ボクが半神半魔だっていうことでしょ?ホントだよ」
そう言うと、レオナは自身の両親についてフィアナに詳らかに話し始める。
レオナの口からは、母親が女神であり父親は高位の魔神である事が打ち明けられた。そして――人間の育ての両親が最近になり流行病で亡くなった事が理由でエルトゥスに帰ると言う事が判明した。
レオナは、育ての両親が経営していた道具店を引き継ぐ為に方々で修業していた。そして――道具作りを学んだレオナはフィアナと共に道具店を盛り上げようとしている。
「レオナ~転移魔法とか使えないの?」
「使えるけど、使わないよ?」
「歩くの疲れた~」
「転移魔法を使ったら、旅行とか冒険の意味ないよ?」
このようなやり取りを繰り返しながら、目的地のエルトゥス付近のジェラと言う宿場町までやって来た。
レオナ曰くエルトゥスまでニ、三日で到着するとのことだ。フィアナ達は宿場町に暫しの休息をとる事にした。
短時間で衝撃的過ぎる事態が多数あったせいで、フィアナは混乱しっぱなしだった。だが、フィアナはエルトゥスに到着した後にさらなる衝撃的な出来事に巻き込まれるとは知る由もない。
感想や誤字脱字の報告お待ちしています……叱咤激励していただけると非常に嬉しいです
※推しのVTuberの件で作者はガチ凹み中です……メンタル面がボロボロなので、作風に影響が有るかも知れません




