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鹿乃子の日常奇譚  作者: みゆki
星暦二千百十一年三月
114/252

三月四日 雑魚寝

六十五日目 五分の三です

「何で? 鹿乃子(かのこ)ちゃん、どういうこと?」


 あの子達って十三頭で固定の種族なんだってさ。増えも減りもしないでずっと生きてきたんだって。


「ああ、(すで)に神獣なのか」


 カミーラが(つぶや)く。って、今さらかい。


 わたし、ずっとそう言ってたよね? 純粋な神気だけ(まと)ってるって言ってたと思うんだけど?


「「「そうゆう意味だったの(か)?」」」


 いや、他にどんな意味があるんでしょうか?


「鹿乃子やユリユリみたいな状態かと…」


「「鹿乃子やカミーラみたいな状態かと…」」


 カミーラとユリユリが同時に。


 気配やら真気(しんき)やらが混じるっしょ。その段階ならばさ。


 思い込みは危険でしょうに…なんか以前色々言われた気がするんだが?


「「「申し訳ありませんでした。反省します」」」


 三人揃って土下座してきたよ。


 でも、ソファーの上じゃ意味ないと思う。


 他六名様も、苦笑(にがわら)い。声を上げて笑えない程度には思う所があるらしい。


「今回は、鹿乃子ちゃん様々だねえ」


 キティの台詞(せりふ)にみんなが(うなず)いてる。


 (おだ)てられると調子に乗っちゃいそうなんで止めて下さい。


 纏まって移動していた十三頭が、一瞬存在が希薄になった後、地球(仮)上の大陸各地へと分散した。


 普段は単独で過ごすんだな。この星の状況を把握(はあく)してくれたって事だろう。


 心配なんで追跡してたけど、平気みたいだね。


 何かあったら、龍神(りゅうさん)が教えてくれると期待しておく。


〝…やれやれ…”


 お願いしまーす。


 宇宙軍の四名様は、報告と後始末のために帰って行った。


 わたし達も、やっと帰れる。


 現在時刻、四時半過ぎ。


 もういっそ、このまま起きてた方が良いかもしれない。


「いやいや。今日も学園お休みしてお昼まで寝ましょ? マジな戦闘初めてなんだから、後で来るよ?鹿乃子」


 マジな戦闘、結構やってる気がするんだけど? ユリカ。


「龍神化したでしょうに…」


 ああ。そう言えば。


「じゃ、カミーラ。又、クラブルームでね」


「おう。ご苦労さん」


 ユリアのテレポートで帰宅です。


「オカエリナサイマセ」


「ただ今。ウイー」×五人


 其の儘(そのまま)お風呂へ。お湯を少し温めに変更、ゆっくり使ってたら眠気が。


「ほら、気が緩んで疲れが来たでしょー」


 確かに。かなりだるい。


 お風呂から上がって着替えたら布団(ふとん)に直行。


 それでは、おやすみなさい。


  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 本日二度目の、お早うございます。


 時刻は、十三時過ぎ。


 いやー。よく寝たね。


 着替えてダイニングへ向かう。お腹()いたー。


 ユリカが、ご飯食べてた。


「おはよー」


「おはよ。ユリカだけ?」


「サリーちゃんは出掛けたー。後は、まだ寝てるー」


 了解。あ、ウイー、ご飯大盛りでお願いします。


「ウケタマリー」


 ご飯が出来るのを待ちつつユリカに質問。


「もうわたし達、関わる必要無いんだよね?」


「無い無い。有っても関わんないー」


 良かった、良かった。。


「オマタセ デス」


「ありがとー。それじゃ、(いただ)きます」


 あー。美味しい。


 もっきゅもっきゅと食べてたら、ミュラ姫とユリアも起きてきた。


「「ウイー、鹿乃子ちゃんと同じの。お願い」」


「リョウカイ デス」


 うむ。すっかり日常だね。


「「「あー…」」」


 何か、思う所でも?


 コクコク×三人


 有るようです。


 ところで、この後は、学園に行きますかね?


「あたしはー、明日、ってか、今夜の準備があるのさー」


 何だっけ?ユリカ。


「おひな祭りー」


 あ! そーだった。クラス女子全員の襲撃(しゆうげき)があるんだったよ。


 手伝うよ。


「よろしくー」


「私らは、お城かな」


「ですね。住民が増えたから手続きしなきゃだわ」


 ユリアと姫が(こぼ)す。


 大変だな。管理職。


「お手伝いは、何時でも大歓迎よ?鹿乃子ちゃん」


「姫、(つつし)んでお断り致します」


「いけず…」


 可愛らしく、上目遣いでジトられた。


 けど、やっぱダメ。ユリカ一人にやらせておくと、何かとんでもない仕込みをしそうで怖い。


「「それは、確かに」」


 だよね?


(ひど)い!?」


 お(はし)(くわ)えたまま涙目のユリカが可愛い。


 食事を終えた後、ミュラ姫とユリアが本部ビルへ向けてお出かけ。


 ユリカとわたしは地下一階。トレーニングルームの隣に、宿泊用の部屋を用意するべくやってきた。


「全部で、何人だっけー?」


「同級生十人とうちらが十一人だろが」


「あー。そっかそっか」


 (たま)に、頻繁(ひんぱん)に、大雑把(おおざつぱ)になるよな。こいつ。


「どっちよ?」


 頻繁に?


「…酷い…」


 むくれながら、手にしたタブレット端末を(いじ)るユリカ。


「部屋の大きさ、三十畳もあればいっかー」


「ほんっとに大雑把だな!」


 思わず叫んじゃうね。


「足らないよりは良いでしょー?」


 何、その意味分かんないって表情…すんげーイラッとする。


 ガッコンガッコン壁の向こうから音が響いて近づいてくる。


 唐突(とうとつ)に、目の前の壁が外された。


 其の儘、天井から吊り上げられて、奥へと運ばれて行く。


 続けて隣、更に隣…


 五枚の壁が外された後には、正方形の空間が出来ている。


 九メーター四方ぐらいかな?


 上を見上げたら、通路の天井よりずっと上まで空間が拡がっていた。


「天井まで、十メートルだよ。クレーンとか色々、機械や資材が動き回れる空間があるんだよー」


 そんな話を聞いてる内に、奥の方からでっかい箱が近付いてくる。


 空いたスペースの真上で止まって、其の儘すぽっと納められた。


 目の前に、出入り口と(おぼ)しき開口部がある壁。


 開口部の幅は、四メーター弱ほど。


「次。内装ー」


 とか言いながら、開口部から、ぴょんっと中へと入るユリカ。


 わたしも、後を追いかける。


 あぶね。床が無いや。五十センチ位段差が出来てたよ。金属の骨組みがむき出しだった。


 ユリカ、骨組みの上をひょいひょい歩く。


 付いていくのが、ちょっと大変。


「どうしよーか? ベッド、並べるー?」


雑魚寝(ざこね)で良いんじゃね?」


「それで良いかー。んじゃ、和室だね」


 ()かれて即答してしもうた…いや、絶対大人しく寝るはずが無いんだよ。雑魚寝で上等。


「うん、それには同感だー」


 やがて、次々と資材が天井伝いに運ばれてくると、組み立て用のマニピュレーターが別途(べつと)天井から降りてきて、壁や床を形成して行く。


 一角には、押し入れも作られている。


 いや、押し入れ多くない? 壁一面が押し入れだよ?


「半分は荷物用のロッカーだよー」


 だ、そうです。納得。


 みるみる内装が仕上がって、(たたみ)が三十枚並べられ、押し入れには大量のお布団が放り込まれる。


 出入り口と押し入れに、(ふすま)()まって、最後に天井が張られていった。


 天井には、あらかじめ照明装置も取り付け済みだったよ。


 ふつーに和風のペンダント式蛍光灯な見た目だった。


「準備かんりょー」


「手伝い、いらないじゃん」


 (ただ)、見学してただけだった件。


「まあまあ」


 納得(なつとく)いかねー!


「後は、トイレットルーム作ってー」


「上に行きゃ良いじゃんかよ」


「場所、いっぱいあるよ?」


「そーじゃ無くてさぁ」


 なんで話が()み合わないんだろうね。


 ああ、(すで)に工事、始まっちゃったよ…


 ガッコンガッコン音がし始めた。

五分の四に続きます

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