表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鹿乃子の日常奇譚  作者: みゆki
星暦二千百十一年三月
105/252

三月二日 おひな様

六三日目 前半です

年明け最初の投稿です

本年も、よろしくお願いします

 星暦二千百十一年三月二日 水曜日


 お早うございます。


 又々、一緒に寝た三人で、早朝ランニング。


 そう言えば、明日は三月三日だよ。


 イベント事が無いって言ってたけど、雛祭(ひなまつ)りだけはやりたいなぁ。


 ちょうど十六歳の年回りだし。


 じいちゃんと一緒に見に行ってから、(あこが)れなんだよな。


 と言う訳で、ユリカに相談。


「おひな様ー? 出来ない事はないけどー…ひな(だん)作って五人囃子(ばやし)とか三人官女(かんじよ)とか並べるあれでしょー?」


「そう。ちっちゃい時見てからやりたかったんだ」


「あり? あれってちっちゃい時からやるんじゃないのー?」


「わたしの記憶じゃ、十六になった最初の節句(せつく)でやるモノだったから」


「へー、変わってるねー。じゃあ、覚えてる所、後で詳しく教えてー」


「判った」


 昨日、散々(さんざん)文句(もんく)言われたんで、走行距離は半分に減らしたよ。


「まだ多いよー。フルマラソン約四回分…」


「わたしは始めから付いて行けてないよ」


 ミュウは一キロ位で脱落してたっけな。そう言えば。


「クランクカーブ、曲がりきれなかった…」


 ああ、まだ、あの速度だとコースアウトしちゃうんだ。飛行練習、頑張(がんは)れ。


 一階に戻って部屋で着替え。


 ダイニングに移動して、ウイーに朝食をお願いする。


 ユリカがやってきて、雛祭りの相談を再開。


 その前に、ウイーが持って来てくれた朝食を(いただ)く事に。


「「戴きます」」


 で、食べながら相談。


「ひな壇は何段で? 五段ー? 七段ー?」


「五段だろ? 七段なんて有るの?」


「三、五、七の三種類が基本だよねー?」


 へー。わたし、五段しか知らないや。


「じゃあ、上から内裏(だいり)、官女、お囃子(はやし)矢大臣(やだいじん)仕丁(しちよう)で合ってるー?」


 え? 呼び名があるんだ。それも知らないや。


「じゃあ、上から二人、三人、五人、二人、三人の順ー?」


 そう、確かその順番。


「で。お(そな)えするのは白酒(しろざけ)菱餅(ひしもち)、雛あられー?」


 ぼんぼりとかお花なんかもあったような。


「んーと、…こんな感じだったかなー?」


 何やら携帯端末を(いじ)って此方(こちら)に見せてきた。


 其処(そこ)には五段のひな壇に並べられたお人形や小物。


 良く出来たミニチュアだな。


「はいー?」


 え?


 何か変な事言った?


「ミニチュアじゃなくて、これがおひな様ー」


 あれ?


 女雛の座を()けた、弓技大会だよね?


「えぇー? そんな事するのー?」


 優勝者から順にひな壇に上がって祝って(もら)う…じゃないんだ?


「こうやってひな人形を飾ってー、女の子が(すこ)やかに育ちますようにって願掛(がんか)けするのが()の世界の雛祭りだよー」


 そうなのかー。あの白衣(びやくえ)緋袴(ひばかま)千早(ちはや)羽織(はお)って弓を引く姿、格好良くって(あこが)れだったんだよなー。


 残念。


「それも楽しそうだねー。ミュウにソフト組んで貰ってやってみるー? 何なら、弓道場借りて弓引いても良いしー」


「やる! 頑張って作るよ。鹿乃子(かのこ)ちゃん」


 おや、ミュウ。いつの間に? って、全員(そろ)ってた。


 あれー? そんなに集中してたっけ? わたし。


「キラッキラなお目々だったわよ」


 とユリアの指摘(してき)が。


 のめり込んでたんだ…周囲への注意が散漫(さんまん)だったよ。失敗失敗。


「そんな、常に緊張してないで、家で位ノンビリすれば良いのに」


 いやー、家に居る時が一番緊張してたんで、くせになってるんだよねー。


不憫(ふびん)()


 いきなり抱きしめられたんですが…ご(はん)(こぼ)れるから止めて? ミュラ姫


 ユリカとのお話は其処(そこ)までにして、朝ご飯の続き。


 食べ終えたら登校の準備です。


「鹿乃子ちゃん、射場(いば)は普通の弓道場?」


 ミュウに聞かれたんだけど、えーっと、確か、神社の境内(けいだい)に特設だったと思う。


 紅白の幕で的と射場を(かこ)ってあって、両脇(りようわき)が観客席で。


「かなり大きな神社だね?」


 社殿(しやでん)の前が百メートル四方ぐらい有った気がする。


 でも、何で?


「ソフト組むのに必要な情報だよ」


 ああ。 って、ホントに作ってくれるの?


「頑張る」


 お願いします。


(まか)して」


 そして、学園。


 ユリカがみんなに話しちゃったんで、クラスの女子、みんなで弓技大会開催が決定したよ。


 その後、ミュウは授業そっちのけで一日中、小型端末叩いてるし。


 先生が何故(なぜ)見逃(ものが)してくれてるから良いようなものの。


 あれ? なばちゃんも参加するって言ってなかったか?


 それでか? それがミュウの内職見逃しの理由なのか?


 直接、()いてみた。


「大丈夫ですよー メンバーズの急なお仕事ですって言っておけば問題ありませんからー」


 いいのか!? それで!


 なばちゃん先生、恐るべし。


 放課後、クラブルーム。


 ミュラ姫、サリーにカミーラも待機してた。


 いつの間にかラン…もとい、ゲームマシンも設置してあったし。


 ユリカん()の地下にあるのより、かなーり小型化された奴が。


 十センチ厚位の一メーター(はん)四方の板とスタンドにセットされた小型端末が一台。


 板は折りたたみが出来て、(たた)めば五十センチ×四十センチ×一点五メートルに。


 一般家庭でも、部屋の(すみ)っこに、(かろ)うじて置いておけるサイズかな?


 エネルギーパック一個有れば一日遊べるそうですよ? 一般人なら。


 販売価格も、VRゴーグルよりちょっとお高めに(おさ)める事が出来そうだとか。


 なんか、色々規格外過ぎやしませんかね? 姫野(ひめの)グループ。


 VRゴーグル借りて、とりあえず乗ってみる。


 視界に射場と的場(まとば)が見えてくる。境内なんで、矢道(やみち)玉砂利(たまじやり)


 射位に立つと、目の前に、弓と矢が浮かぶ。


 それを手にして、構え、引き分けて放つ。


 カンッと言う小気味よい音と共に矢が飛び、的へと吸い込まれる。


「おおーー」×十一人。


 まあ、ぎりぎり的の外いっぱいに当たっただけなんだけどね。


「それなりに鍛錬(たんれん)してたのか?」


 カミーラに訊かれた。


「じいちゃんの指導で小さい時に、結構覚えてるもんだね」


 と、答える。七、八歳の頃じゃなかったかなあ。


 ほぼ違和感はなし。充分楽しめるよ。


「了解。後は細かいとこを仕上げとく」


 ミュウ、ご苦労様。有り難う。


「あたしもやりたいー」


 ユリカがいそいそと台に上る。


 そして構えて引き分け……られない?

六三日目 後半に続きます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ