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鹿乃子の日常奇譚  作者: みゆki
星暦二千百十一年三月
104/252

三月一日 お金

六二日目 三分の三です

「お風呂入れば良いよー。その間にお洗濯(せんたく)しちゃうからー」


 お急ぎモードなら十五分で乾燥まで出来るんだって。


 初耳だよ。ユリカ。


「あれー?」


 あれーじゃねえ。


 ヘッドロックして脳天を(こぶし)でぐりぐりぐりぐりぐり…


「痛い痛い痛い ごめんなさいー」


「あはははははははははははははははははははは」×いっぱい。


 それは良いとして…


「良くないよー。頭痛い…」


 …良いとして、みんなお家に連絡入れた方が良いんじゃないかい?


 もうすぐ十八時になるよ? とっくに日の入り時刻過ぎてるよ。


「なら、みんな夕飯も食べてから帰れば良いよー」


 そうだね。(たま)に良い事言うね。ユリカ。


「ひーどーいー!」


 うお? ボディーにパンチが! 地味に効く…


 再び一斉に爆笑。


 その後、ユリカがなばちゃんズをお風呂に案内していった。


 リビングで、なばちゃんズがお風呂から上がるのを待ちつつみんなでお話。


 小百合(さゆり)さんってどおゆう人?


「ああ、その話があったね」


 ユリアとお話です。


「そっちはまかせた!」


 さつきたちは別のお話らしい。


西村(にしむら)小百合って言う工場惑星(わくせい)の責任者がいてね、警備部の装備強化の相談に来て(もら)ってるのよ」


 その方がツイッギーとウイーをあんなにしちゃったと?


「お茶目(ちやめ)な人だから…」


 それで片付けて良い問題じゃないと思う。


「機能を阻害(そがい)しないなら形はどんなだっていいじゃないって言いそうなのよね…」


 そりゃそうなんだけどさ。


「多分、あっちこっちに同じ様なのが増えると思う…」


 …姫野(ひめの)の役職者って、問題児の集団なのかや?


「否定出来ない…」


 そうなんだ。やれやれ。


 可愛くなっただけだし、まあ良いか。


鹿乃子(かのこ)大概(たいがい)にって言うか、充分変わってるよね」


 (ひど)い事を(おつしや)る。否定はしないけど。


「はぁ」


 視線()らされた上に溜息(ためいき)つかれました。


「ユリカと気が合うわけだ」


 どうゆう意味だ? それ。


「よく言えば、どんなときでも自分を見失わない精神が強い人だね」


 裏返すと?


「自分勝手で()が道を貫く、傍若無人(ぼうじやくぶじん)な奴」


 よーし、そのケンカ、買おうじゃないか。


 (つか)まえようと両手を出したらユリアの手に受け止められて膠着(こうちやく)状態に。


 お互い笑顔(多分わたしも? 多少は出来てるはず?)で(にら)み合ってます。


「おー。笑顔でお手々(つな)いで、仲良しだねー」


 ユリカが戻ってきた。


 お前も一緒にお風呂してたんかい。


「巻き込まれたよー。あははははははははははははははは」


 ホッペがピンクで髪もしっとり。湯気が立つのを幻視(げんし)出来そう。


「テーブル並べてみんなで食べよう」


 そう言って壁の端末を(いじ)るユリカ。


 ローテーブルが一度引っ込んで食宅に使える大きなテーブルがいくつか出てきた。


 椅子も変わって三十人位、一度に食事出来そうな食堂仕様の出来上がり。


 ソファーに座ってたみんなを始め、ユリアとわたしも壁際までソファーごと、そのまんま強制移動させられました。


 ほんっとに妙なギミックばっかりあちこちに。


「オショクジ ナラベマス ヨ」


 ケットシー(ウイー)登場。ワゴン四台連結して引っ張ってきた。


「オーナー、 ソコニ イタラ ジャマ。 ドイテ」


 ユリカは、ウイーに追い払われてる。


 次々と、テーブルに料理を並べていくウイー。


「デハ ゴユックリ」


 ぺこりと一礼して部屋を出て行く。


「有り難うねー。ウイー」


 あっけに取られて見てたんで、タイミングがずれちゃった。


 (あわ)ててウイーにお礼を。


 尻尾(しつぽ)を左右にパタパタッと振って去って行った。


 入れ替わりになばちゃんズ、プラスαが戻ってきた。


 なんか、新品みたいになってないか?君らの制服…


「ウイーがなんか頑張ってたー」


 ユリカからご報告。


 そうですか。すげーな。ウイー。


 みんなが揃ったし、夕飯にしようと夫々(それぞれ)適当に席に着く。


「戴きます」×二十一人


 美味(おい)しく、()つ、(にぎ)やかに戴きました。


 その後、食休みを兼ねて、サリーとミュウがなばちゃんズ、プラスαに意見聴取(ちようしゆ)


 十九時過ぎに、コミューター五台に分乗して夫々帰宅していった。


 リビングをいつもの状態に戻して一休み。


 騒がしかったー。


 何人か、吹き出した奴がいる。


 其処(そこ)へ、携帯端末の呼び出し音。()の音は…ユリカか?


「はいよー。小百合ちゃん。おひさー」


 あ。例の人みたいだ。


「えぇー!? 冗談なのー!!? ひーどーいー!!」


 しばし話し込んでいたユリカが、突然悲鳴を上げる。


 その後ギャーギャーと()り取りを続け、お話終了。


「鹿乃子ー。あの請求書、冗談だったー」


 帰宅時の請求書を広げて、滝の涙なユリカ。


 指差してる所を見たら、小さな文字で、


(なお)、此の請求書は効力がありません。間違ってホントに振り込むなよー。小百合]


 と書いてある。


 あ・の・な!


「んでねー。会社の収支に記録されちゃったんで返金出来ないんだってー」


 あー。売買契約が成立しちゃったのね。


「だから、今後金額分の姫野製品無料にしてくれるそうです。ごめんねー」


 ユリカが(あやま)る事じゃないよな。わたしも見落としたんだし、問題なし。


「ありがとー」


 抱き付いてくるユリカ。


 だからさ…その顔でわたしの服に顔埋めるんじゃ無いって言うのに、もー。


 他九名様、大爆笑、今。


 やれやれ。


 その後、詳しく聞いたら、実際あの金額が改造に掛かってるそうなんで、別に保証もいらないよと話を収めた。


 色々お世話になってるしな。


 お金、使い道ないしな。


「後のが本音でしょー。酷い理由だよー」


 ユリカに即刻(そつこく)ばれました。


 先日の海賊騒ぎで又、どえらい金額が振り込まれてたんだよね。


 知らない間にさ。防衛活動費とかって名目で。


 わたし、ユリカに運ばれて宇宙空間に行ってきただけだよって言ったけど、返却出来なかったよ。残念だ。


 後、小百合さんも、お騒がせしましたと謝罪してくれましてね。


 ユリカが話し合った結果を、彼方(あちら)に連絡入れた際にお話ししましたよ。色々と。


 なんか、ランニングマシン改めゲームマシンの開発に協力してくれる事になったッぽい。


 ミュウとサリーが大喜びしてた。


 小百合さんって、機械の小型化が得意なんだそうで、家庭用が出来るかもって、二人で騒いでるよ。


 まあ、実現出来たとしても、一般家庭でゾンビシューティングは止めような? リアル路線のは。


「その辺の調整は、商品開発に任せる」


 それが良いと思うよ、ミュウ。


 何だろう。


 ちょっとリアルなランニングマシンが欲しかっただけなのに、なんでこうなった?


 わたしが欲しかったモノって、(すで)に完成してるし、抜けても良いかな?


「「「だめ」」」


 さつきとミュウとサリーが異口同音(いくどうおん)


「えー?」


 又みんなで大笑い。


 気が付いたら二十一時を回ってる。


 はっと気が付いて叫ぶ。


「課題。やってない!」


「あぁ!!」×八人


 それを聞いて、学生組が固まった。


 慌てて各自、課題の処理に取りかかる。


 自分で解く人、周りに解き方を教わる人、まる写す人…


 なんだかんだ一時間ほど。


 翌日の準備をして、みんなでお風呂。


 ユリカも顔があんななんでもう一回。


 お風呂を上がって夫々の部屋へ…と思ったら、又思い出しちゃったらしくていくつかのペアに(まと)まってたよ。


 当然わたしのとこにはユリカがとミュウが。


 ミュウは怖いわけじゃないよね?


「ミュウだけ一人になっちゃうの」


 そだね。一緒に寝ようね。


「うん」


 そんなわけで、川の字です。


 いや、わたしが真ん中だから、小の字か。


 それでは、おやすみなさい。

六三日目に続きます

尚、29日の後は、年末年始、しばしお休みします。

とはいえ、元日からですね。

新年第二週まで。ごめんなさい。

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