三月一日 お金
六二日目 三分の三です
「お風呂入れば良いよー。その間にお洗濯しちゃうからー」
お急ぎモードなら十五分で乾燥まで出来るんだって。
初耳だよ。ユリカ。
「あれー?」
あれーじゃねえ。
ヘッドロックして脳天を拳でぐりぐりぐりぐりぐり…
「痛い痛い痛い ごめんなさいー」
「あはははははははははははははははははははは」×いっぱい。
それは良いとして…
「良くないよー。頭痛い…」
…良いとして、みんなお家に連絡入れた方が良いんじゃないかい?
もうすぐ十八時になるよ? とっくに日の入り時刻過ぎてるよ。
「なら、みんな夕飯も食べてから帰れば良いよー」
そうだね。偶に良い事言うね。ユリカ。
「ひーどーいー!」
うお? ボディーにパンチが! 地味に効く…
再び一斉に爆笑。
その後、ユリカがなばちゃんズをお風呂に案内していった。
リビングで、なばちゃんズがお風呂から上がるのを待ちつつみんなでお話。
小百合さんってどおゆう人?
「ああ、その話があったね」
ユリアとお話です。
「そっちはまかせた!」
さつきたちは別のお話らしい。
「西村小百合って言う工場惑星の責任者がいてね、警備部の装備強化の相談に来て貰ってるのよ」
その方がツイッギーとウイーをあんなにしちゃったと?
「お茶目な人だから…」
それで片付けて良い問題じゃないと思う。
「機能を阻害しないなら形はどんなだっていいじゃないって言いそうなのよね…」
そりゃそうなんだけどさ。
「多分、あっちこっちに同じ様なのが増えると思う…」
…姫野の役職者って、問題児の集団なのかや?
「否定出来ない…」
そうなんだ。やれやれ。
可愛くなっただけだし、まあ良いか。
「鹿乃子も大概にって言うか、充分変わってるよね」
酷い事を仰る。否定はしないけど。
「はぁ」
視線逸らされた上に溜息つかれました。
「ユリカと気が合うわけだ」
どうゆう意味だ? それ。
「よく言えば、どんなときでも自分を見失わない精神が強い人だね」
裏返すと?
「自分勝手で我が道を貫く、傍若無人な奴」
よーし、そのケンカ、買おうじゃないか。
捕まえようと両手を出したらユリアの手に受け止められて膠着状態に。
お互い笑顔(多分わたしも? 多少は出来てるはず?)で睨み合ってます。
「おー。笑顔でお手々繋いで、仲良しだねー」
ユリカが戻ってきた。
お前も一緒にお風呂してたんかい。
「巻き込まれたよー。あははははははははははははははは」
ホッペがピンクで髪もしっとり。湯気が立つのを幻視出来そう。
「テーブル並べてみんなで食べよう」
そう言って壁の端末を弄るユリカ。
ローテーブルが一度引っ込んで食宅に使える大きなテーブルがいくつか出てきた。
椅子も変わって三十人位、一度に食事出来そうな食堂仕様の出来上がり。
ソファーに座ってたみんなを始め、ユリアとわたしも壁際までソファーごと、そのまんま強制移動させられました。
ほんっとに妙なギミックばっかりあちこちに。
「オショクジ ナラベマス ヨ」
ケットシー登場。ワゴン四台連結して引っ張ってきた。
「オーナー、 ソコニ イタラ ジャマ。 ドイテ」
ユリカは、ウイーに追い払われてる。
次々と、テーブルに料理を並べていくウイー。
「デハ ゴユックリ」
ぺこりと一礼して部屋を出て行く。
「有り難うねー。ウイー」
あっけに取られて見てたんで、タイミングがずれちゃった。
慌ててウイーにお礼を。
尻尾を左右にパタパタッと振って去って行った。
入れ替わりになばちゃんズ、プラスαが戻ってきた。
なんか、新品みたいになってないか?君らの制服…
「ウイーがなんか頑張ってたー」
ユリカからご報告。
そうですか。すげーな。ウイー。
みんなが揃ったし、夕飯にしようと夫々適当に席に着く。
「戴きます」×二十一人
美味しく、且つ、賑やかに戴きました。
その後、食休みを兼ねて、サリーとミュウがなばちゃんズ、プラスαに意見聴取。
十九時過ぎに、コミューター五台に分乗して夫々帰宅していった。
リビングをいつもの状態に戻して一休み。
騒がしかったー。
何人か、吹き出した奴がいる。
其処へ、携帯端末の呼び出し音。此の音は…ユリカか?
「はいよー。小百合ちゃん。おひさー」
あ。例の人みたいだ。
「えぇー!? 冗談なのー!!? ひーどーいー!!」
しばし話し込んでいたユリカが、突然悲鳴を上げる。
その後ギャーギャーと遣り取りを続け、お話終了。
「鹿乃子ー。あの請求書、冗談だったー」
帰宅時の請求書を広げて、滝の涙なユリカ。
指差してる所を見たら、小さな文字で、
[尚、此の請求書は効力がありません。間違ってホントに振り込むなよー。小百合]
と書いてある。
あ・の・な!
「んでねー。会社の収支に記録されちゃったんで返金出来ないんだってー」
あー。売買契約が成立しちゃったのね。
「だから、今後金額分の姫野製品無料にしてくれるそうです。ごめんねー」
ユリカが謝る事じゃないよな。わたしも見落としたんだし、問題なし。
「ありがとー」
抱き付いてくるユリカ。
だからさ…その顔でわたしの服に顔埋めるんじゃ無いって言うのに、もー。
他九名様、大爆笑、今。
やれやれ。
その後、詳しく聞いたら、実際あの金額が改造に掛かってるそうなんで、別に保証もいらないよと話を収めた。
色々お世話になってるしな。
お金、使い道ないしな。
「後のが本音でしょー。酷い理由だよー」
ユリカに即刻ばれました。
先日の海賊騒ぎで又、どえらい金額が振り込まれてたんだよね。
知らない間にさ。防衛活動費とかって名目で。
わたし、ユリカに運ばれて宇宙空間に行ってきただけだよって言ったけど、返却出来なかったよ。残念だ。
後、小百合さんも、お騒がせしましたと謝罪してくれましてね。
ユリカが話し合った結果を、彼方に連絡入れた際にお話ししましたよ。色々と。
なんか、ランニングマシン改めゲームマシンの開発に協力してくれる事になったッぽい。
ミュウとサリーが大喜びしてた。
小百合さんって、機械の小型化が得意なんだそうで、家庭用が出来るかもって、二人で騒いでるよ。
まあ、実現出来たとしても、一般家庭でゾンビシューティングは止めような? リアル路線のは。
「その辺の調整は、商品開発に任せる」
それが良いと思うよ、ミュウ。
何だろう。
ちょっとリアルなランニングマシンが欲しかっただけなのに、なんでこうなった?
わたしが欲しかったモノって、既に完成してるし、抜けても良いかな?
「「「だめ」」」
さつきとミュウとサリーが異口同音。
「えー?」
又みんなで大笑い。
気が付いたら二十一時を回ってる。
はっと気が付いて叫ぶ。
「課題。やってない!」
「あぁ!!」×八人
それを聞いて、学生組が固まった。
慌てて各自、課題の処理に取りかかる。
自分で解く人、周りに解き方を教わる人、まる写す人…
なんだかんだ一時間ほど。
翌日の準備をして、みんなでお風呂。
ユリカも顔があんななんでもう一回。
お風呂を上がって夫々の部屋へ…と思ったら、又思い出しちゃったらしくていくつかのペアに纏まってたよ。
当然わたしのとこにはユリカがとミュウが。
ミュウは怖いわけじゃないよね?
「ミュウだけ一人になっちゃうの」
そだね。一緒に寝ようね。
「うん」
そんなわけで、川の字です。
いや、わたしが真ん中だから、小の字か。
それでは、おやすみなさい。
六三日目に続きます
尚、29日の後は、年末年始、しばしお休みします。
とはいえ、元日からですね。
新年第二週まで。ごめんなさい。




