解放後
解放されたときはすでに放課後だった。トイレから出てそのまま歩いて帰ろうとする。
「おい、久城。何してんだお前?」
そんなときに、特に心配した様子はなさそうに、有が沙耶のもとに歩いてくる。
「…なんだ、お前か」
少し小さめの声で沙耶は言う。
「元気がないな。欠席続きで変だとは思っていたが、なんかあったのか?ってたぶんあったよな」
「それがどうしたと言うんだ?貴様に言う必要はないとな思わないか?」
素っ気なくそう言って帰ろうとする。
「いや、普通はここを心配するものだと思うが個人的な感想を言わせてもらえればいつも自信過剰な様子のお前が元気がないことが一番気になるんだけどな」
しかし、有は沙耶の前に回り込んでそう言う。
「さあな。お前といるからじゃないのか?少年」
沙耶は振り向いてそう答える。
「上から目線やめろっての。ダイアモンドメンタル」
「む、そのあだ名は許可しないぞ」
「お前がいつまでたってもそんな感じに振る舞ってるからだよ。無理してるか、それともいじめをなんとも感じていないかってとこだろうがむしろ両方に見えるな」
「両方?わけがわからないぞ」
「特になんとも思っていないが心の奥底では無理をしてるってとこじゃないか?」
「なにを得意気にしてるんだ、馬鹿者が」
少し不機嫌そうにしながら、言い返す。
「罵倒がお好きなようで」
小さく言いながら有はあとを追った。




