有の動機
下校時間になって、沙耶は帰る用意をする。すると、有もついてくる。
「なぜお前がついてくるんだ!」
あきらかに不機嫌に沙耶は言う。
「カルシウム不足って言われるぞ。興奮しすぎ」
「なんだと!」
有が止めようと言葉をかけてもむしろ逆効果で沙耶はさらに不機嫌そうにする。
「私は気分が悪いんだ。はやく帰らせてもらうぞ」
「いや、機嫌だろ」
有はつぶやきながらも早足の沙耶のあとを追う。
「おい、久城!」
と、そこに男子が三人沙耶の前に出てくる。
「なんだ?用事ならはやくしろ。私は怒っているんだ」
「調子こいてんじゃねぇぞこのくそアマが!」
男子の一人はいきなり沙耶の顔面を殴り、沙耶は地面に倒れる。
「おい、そこは殴ってはだめだろう。レディの顔面を殴るなという意味ではなくいじめが関係のない連中にまでバレてしまうではないか」
顔を押さえながら、沙耶は立つ。
「なら、これでいいか!」
今度は別の男子が、沙耶の腹に蹴りをいれる。倒れそうになった沙耶を有が支える。
「じゃあな」
そう言って三人はどこかへ行った。
「お前に支えてもらわなくても十分だ!」
「いや、制服汚れるし」
そこか、と沙耶は言いそうになったがバカらしくなってやめた。そして、家に足を進めた。
その途中、再び別の男子が襲い掛かってきたが有の背後からの奇襲によりなんとか無事だった。
「有、お前もそのうちいじめられると思うが今こんなことをやめればそんな思いをせずに済むぞ」
「それは俺の勝手だろう。それに別にお前を助けたいんじゃなくてあくまで頼まれたからだけどな。後悔ならもうしてるけど引き返せないだけだ」
二人は、そこで別れて家に帰った。




