沙耶と有の言い争い
「そもそもだな、お前はこういうことをして大丈夫なのか?」
階段を降りながら沙耶は聞く。
「むしろ、お前が大丈夫なのかと聞きたいんだが」
「私を誰だと思っている?」
「なんでそんなに自信過剰なんだよ」
有は沙耶の返答にあきれながら言う。
「あの程度で、私が屈するとでも思っているのか?そもそも慣れたぞ」
「そこは慣れるなよ。お前違う意味で大丈夫か聞きたいわ」
相変わらずの沙耶の態度に有はため息をつく。いじめられていてもこれだけ余裕にしているからだ。
「で、お前は大丈夫なのか?」
有はうまくごまかせたと思っていたことを再び聞かれて少し驚く。
「まあ、大丈夫じゃないか?そこまで考えてないからな」
「私に構わずに自分の体を大事にしろ!」
「お前にだけは言われたくないわ!」
と、そんな会話をしているうちに教室の前につく。すると、いっせいに視線が沙耶たちに向けられる。
「あっれ~?水面有くんは久城さんに惚れちゃったのかな~?」
女子が一人、近づきながらそう言う。
「うん、惚れる相手としては間違っているけどお前よりましだとおもうよ」
「おい、それはどういう意味だ」
少し、怒気を孕んだ声で沙耶は言う。
「ちっ、久城さんを助けて正義の味方気取りですか~?」
「そのままのいみなんだけどって一々うるさいなお前は」
有は沙耶に返答しながら、あきらかに鬱陶しそうに女子に言う。
「正義って言うならそんな女よりもむしろこっちが正義なんですけど~?」
「「お前はゾロアスター教の信者か!」」
女子の言葉に有と沙耶は同時に言う。
「む?私の思考を先回りして言うな!」
不機嫌そうに沙耶は言う。
「してないから!」
「なら、私と考えが合うわけないだろうが!」
「なんのプライドだよ!」
いきなり始まった二人の言い合いに女子はポカーンとしている。
「ふん!善は勝つなんてくだらないことを堂々と言っている宗教はゾロアスター教くらいだと言うことをなぜ貴様が知っているんだ!」
「うん、歪んだ解釈をしてみただけなんだけど。というか落ち着け」
沙耶に有は諭す。
「貴様が悪い」
「貴様言うな、少女」
「うるさいぞ有!」
怒りをあらわにしながら沙耶は席についた。
ゾロアスター教のくだりがしたかっただけとは言えない…




