水面有
「それでなんの用だ、少年」
「何を年上ぶってんだ少女」
沙耶の問いにたいして男子はふざけたように言い返す。
「だから何の用だと聞いているんだがな」
「いや、状況的にわけがわからなかったからとりあえず避難だよ」
「何を言っているのだ?貴様だって、私をいじめているクラスのいちいんなのではなかったか?」
沙耶は不思議そうに尋ねる。
「あのな、別に全員が全員いじめたいってんけじゃないから」
ため息をつきながら男子は答える。
「名を聞こうじゃないか少年」
「なんで偉そうなんだよ。水面有だ」
文句を言いながらも有は答える。
「で、なぜ助けた?」
「いや、助けたつもりはないんだけどな」
「あそこのトイレのことはどうでもいいが貴様はまず基本的に動かないやつだとわかっているぞ。休み時間には机からいっさい離れないやつなはずだ。なら、なぜ動いた?」
「やたら疑り深いなおい」
あきれたように有は言う。有はしっかりと沙耶を見据えて再び口を開く。
「いやちょっとな。頼まれてな」
「頼まれた?」
沙耶は有の言葉に疑問をもってそう言う。なにせ沙耶の味方はいないのだ。クラス全体が敵の状態で一人として助けてくれる人もいないし、同情さてくれる人も一人としていないのだ。それなのに、誰が頼んだのかととても沙耶は気になっていた。
「ああ、そうか。お前の友達だな?」
「いや、誰だよ!?」
沙耶は適当に言ったつもりなのだが、有は人と積極的に話そうとしないので基本的に友達はいない。
「じゃあ、誰だと言うんだ?」
「それは秘密ってことで」
沙耶はそのことを思考するが、わからない。
有が屋上から降りようとしているのでそれに沙耶もついていって、屋上から階段へ戻っていった。




