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謝るな

沙耶は沙織と別れた後、有の部屋を探す。適当に二階へ上がる。そして、近くのドアを開ける。

「どうした?いつものように文句は言ってこないのか?」

沙耶はその部屋で見つけた有に向けて呼び掛ける。しかし、返事がない。

「おい!」

沙耶は少しイライラしながら有に近づく。

「って寝るなぁぁ!」

よく見ると有は寝ていた。それを見て沙耶は思いっきり有を蹴飛ばした。

「いや、あの釧路沙耶さん。痛いんですが」

「ようやく目覚めたか。いつまでうじうじしてるか知らんがいくぞ」

「もう会わないって行っただろ」

有は虚空を見つめながら呟く

「そんなもん知らん。私は私のやりたいようにする。迷惑くらい人にかけても構わないだろうが」

「いや、これ以上俺のせいで犠牲者を出すのは見てられない」

「私はもとから犠牲者だから問題はないな。そもそもそういうやつらは基本的に助けられないほうが自分が傷つくよりも嫌なやつらなんだよ」

「だからって自分の人生を投げ捨てるような真似を許せるわけないだろ……」

「そうか。まあ、私はそういうやつらではないんでな。というか、やることがあるから手伝え」

「お前はもう少し遠慮というものをわきまえてほしいんだが」

有はいつも通り呆れたように言う。

「知るか。私は頼むことも、こうして欲しいと思わせることも嫌いなのだ」

「まあ、いい。手伝う」

「それでいい。一応有に礼を言っておこう、ありがとう」

沙耶は小さくそう言った。

「すべて沙織が言ったことだ」

「行動したのはお前だ。さすがに強がってはいたが、救われた。気分が楽になったものだ」

「それなら、こっちが礼を言いたいとこだな。毎日飽きなかったし、ようやく過去とも踏ん切りがついた」

「謝るな!私の嫌いなことは一番が面倒くさいことで二番が謝られることだ!」

急に怒り出した沙耶にため息つきつつも、有は少し明るい表情になる。

「というか、これ全部沙織が仕組んでいるんだろうな……」

「そうか、とりあえず明日学校に行くぞ。いいな?」

「はいはいって大丈夫なのか?」

少し心配そうに有は沙耶に尋ねる。

「私のことか?ダイアモンドメンタルと言ったのはそっちだろうが。というか、そもそももう終わるしな」

「どういうことだ?」

「百聞は一見にしかず」

「あ、見て確かめろってことか。分かりにくい」

有は相変わらず呆れた表情をしながら沙耶にチョップをした。

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