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須藤沙織

「ほう?ようやく聞けるとはな」

沙耶は、しっかりと少女を見据える。

「私の名前は須川沙織です。以上!」

そう沙織と名乗った少女は言い切る。笑っているかいないかわからないくらいの笑みを浮かべながら沙耶の様子を伺っている。

「……私は貴様がいったいどんなやつなのかということを聞いているんだがな。というか、なんだそのアルカイクスマイルは」

怒りを抑えながら言う。

「人を仏像扱いしないでください。これ以上はプライバシー侵害、だなんていう冗談は置いておいて。私はただの女子高生ですよ。あなたよりは学年は上ですが」

「で、なぜ私に構う?」

「言ったじゃないですか。あなたのような人がこんなとこでダメになってしまうのはもったいないと」

「……そうか」

沙耶は何か考え込みながら、視線を沙織からそらす。

「大丈夫ですよ。別に私たちはバカではありませんし、変な勇気というものも持ち合わせていないんです。いじめだから助けるのではなく、あなただからこそ助けるということを理解してください

沙織は真剣な表情でそう告げる。

「私たち?やはり沙織が有を?」

「そうですよ。私一人ではものすごくめんどくさいので」

「お前たちはどういう関係なのだ?関係性が見えないのだが」

疑問に思ったことを沙耶は率直に告げる。

「私たちのリレーションシップが知りたいと?」

「なんで英語なんだ?そもそもrelationshipだろうが」

「いえ、そこに反応しなくていいです。まあ、恩人なだけです。有さんはばんゆういんりょくですから」

「万有引力?なぜ物理の話がここで出てくる?」

「万有引力ではなくばんゆういんりょくですよ。漢字は後で教えますからね。では、私は帰りましょうか」

沙織は立ち上がり、帰る支度をする。

「私を利用したいとそう捉えてもいいのか?」

沙織は沙耶のほうを向き笑みを浮かべる。

「いいですよ」

そう言って帰っていった。

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