表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終末世界の幼馴染主従ラブコメは死に戻りからリスタート  作者: スカンジナビア半島


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/45

【七】-2 次は首領級モヒカン

「投げナイフもらっていい?」


「どうぞどうぞ!」


「それとここの人達をイジメないで」


「それは駄目です」


 全てに従いますと言わんばかりだった領主が、

 真剣な顔に戻って断った。

 即座にエルシアが鎖鎌を放って、相手の頬を掠め斬った。

 投げナイフを使わないのは、

 それが今日のファッションに合わせた武器ではないからだろう。


 完全にへし折られていたはずの、己の強さへのプライド。

 なのにグランテイマーは怯まなかった。


「理由を聞こうか」


「この都市を、極めて凶悪なモヒカンが取り囲んでいます。

 そのため、常に奴らの襲撃に備え、

 惰弱な者を都市から追放し、

 モヒカンの餌にして襲撃を先延ばしにしないといけません」


 つまりは、あの蠱毒のようなシステムは、

 モヒカンへの生贄選出のためでもあったということか。

 惰弱を排除する行為そのものが、

 外の強者へのご機嫌取りも兼ねていたとは。


「このエリアの首領級モヒカンはどこに?」


「いけません、奴には誰も勝てませんよ!」


「私達なら楽勝」


 何を言われようともエルシアは心を決めている。

 そして、チニスの実情がわかったことで、

 ノーマンは己の頭に次の悪辣な策謀が浮かび上がるのを実感した。


 ──今日から、この都市は俺の所有物だ。


 少なくとも外交上、優勢なのはこちらだ。

 ならば、貴重なリソース(領民)に示すべきは、

 これまでの見せかけの庇護とは格が違うということ。


 怯えさせるだけの支配者と、怯えの原因を始末できる支配者。

 どちらに膝をつくべきか、民にわからせる良い機会だ。

 それによって、今回の遠征を最高の戦果に押し上げられる。


「そういうことだ。

 さあ、お前らをビビらせている悪党を教えてもらおうか」


 デスクに足を乗せ、

 威圧感たっぷりに脅しつける。

 彼らが屈服したのは執事ノーマンの力ではないが、

 あの理不尽な化けエルシアが、こちらに強い感情を抱いているのは知っているはずだ。


「何だ貴様。執事風情が」


「お嬢様、この男が反抗的です」


 エルシアに咎めてもらうよう、示唆した。


「教えますぅ!」


 慌てて割り込んだグランテイマーが、作り笑いを浮かべてへりくだった。


 まだこちらの威容は足りないか。

 だが、それもじきだ。

 ノーマンがこの都市の交渉の実権を握り、

 功績を積み上げていけば、やがてすべてはノーマン・ロストの思うがままになる。


「や、奴らはさざめきの丘に陣取っています」


「よし。後はこちらでやる。地図に印をつけろ」


「しゅっぱーつ」


 グランテイマーからボスモヒカンの居場所を聞き、

 気の抜ける声でエルシアが、しまわずにいた鎌を突き上げた。

 その動きだけで周囲が怯えて、腰を抜かしかける。


 この辺りの脅威の中心がいる場所を把握したノーマンは、

 地図を丸めて懐にしまう。


 光源がろくになく、薄暗い邸宅内を二人で歩く。

 年季を感じさせる窓から、微かに日差しが差し込む場所に、

 ボロボロの男が、土下座をして待っていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ