表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/111

80. 白髪


「自由戦だ。今日はA組と合同だから頑張ってくれ。」


A組...1年生の中で最上位の奴ら。

D組の人達は勝てると思ってないだろう。

顔も凄い暗い。

B組に勝てない時点でA組に勝てない事は確定しているからな。

よく昼過ぎまで学校に残っていた。

D組で残っている生徒の数はいつもより少ない。


あぁ...ボコボコにされている。

みんな、頑張ってくれ。

こういう時だけはD組の味方をしてしまう。


それにしてもA組の奴ら、勝っても嬉しそうじゃないんだよな。

勝って当然のような顔をしている。

すましやがって、この野郎。

そして、ちゃんとルールを守っている。

A組の皆が寸止めをしている。

なんか、それすらムカついてきたな。


「対戦しよう。」


どっかのA組が俺と戦いたいと言ってきた。


「もちろん。」


こんなスカしたら奴らの心の底をさらけ出してやる。


ダッ


相手が素早く攻め、剣で突く。


ガキンッ


レオは剣で防ぐ。


速いな、これは身体強化を使っているのだろう。


ブンッ


ダンッ


レオは首を思いっきり斬ろうと剣を振るが、相手は

高くジャンプし、避ける。


空中に身を投げてどうするんだ。

もう避けられないぞ?


レオは相手が落ちてくるタイミングを見計らって、剣を構える。


ボンッ


「うっ。」


相手がファイアーボールを放つ。


前が見えない。

だが、まだ終わりじゃない。


レオは感で相手の場所を予想し、そこに剣を振る。


「...」


負けた。

俺の剣は相手の肩に触れており、相手の剣は俺の首に触れている。


「では。」


コイツ、すました顔しやがって。

俺に勝てたくせに喜びもしないだと!?


「ちょっと待て。」


相手は歩くのを止め、こちらを見る。


「もう1回だ。」


「よかろう。」


何が『よかろう。』だ。

上から目線で話しやがって。


「かかってこい。」


「言われなくても攻めてやるよ。」


ダンッ!!


身体強化、全開だ。


ドスッ


「うっ!」


相手の腹を殴り、相手はしゃがみ込んだ。


ざまぁみろ。

一応、手加減をしてやった。

じゃないと死ぬかも知れないからな。ははは。

愉快愉快。


レオはニヤニヤした。


このまま、アイツも吹っ飛ばしてやる。

王族のヘレナ。

王族だからって調子に乗っている可能性がある。

俺が教育してやらねば。

...今、俺の方が調子に乗ってるな。

いいだろう。

剣術だけで勝ってみせる。


人が多くてどこにいるのか分からない。

とりあえず、髪が白いから探しやすいはずだ。


あっ、いた。

白い髪が見える。

そして、髪も長いから女である事も確実だ。


「おい。」


相手の肩に手をかける。


「なんだ...でしょうか。」


あれ?ヘレナじゃない...アルシア?


「アルシアじゃないか!」


「レオ様!?」


アルシアの奴、綺麗になっている。

それと、身長が高くなっている。

俺より背が高いではないか!

なんてことだ...


「レオ様、なんでそんなに悲しそうな顔をしているのですか。」


「いや、悲しくないぞ。...嬉しい。」


「!?」


美人だからか、緊張してしまう。

これは俺がネガティブだからか?

いつから俺はネガティブになったんだ。


前から美人だったはずなのに。

もしかして、自分より身長が高くなったから緊張しているのか?

いや、そんなわけない。

王族のような美人になったから緊張しているんだ。

身長は関係ないはずだ。


「そのバッチ...だから学校にいるんですね!」


アルシアは笑顔だな。

俺も笑顔にならなければ。

嬉しい事は確かなんだから。


「アルシア、デカくなったな。」


アルシアは腕を組んだ。


「...はい。」


「あっ、レオ様。対戦しましょう。」


「ん?ああ。そうだな。」


アルシアと対戦か。

アルシア...身長と共に実力も俺より上なんじゃないだろうな。

これで俺が負けたら凄い恥ずかしいぞ。

一緒にいた時のアルシアの強さは俺と近しいものだった。

俺の実力より上を行っていてもおかしくない。


いや、俺は冒険者をしていたんだ。

国級クエストにも参加した。

国級クエストなんて、そうそうあるもんじゃない。

俺の方が経験があるんだ。

俺の方が強いに決まっている。


ということは、身体強化は使わないほうがいいだろう。 

アルシアには剣術だけで勝つ。

魔法はなんとか避けてみせよう。


「こい、アルシア。...あっ、アルシアは魔法使いだったわ。じゃあ、魔法を放ってこい?ん?」


「...いきますよ。」


「ああ、こい。」


ドドドドドドッ


火の槍が飛んできた。


タタタタタタタッ


レオはなんとか避けつつ、アルシアに近づく。


速い。

身体強化使いて〜。

これって剣で弾けるのだろうか。

怖くて試せないな。


ダッ


レオは急に一直線にアルシアの方へ走る。


「!?」


ボアッ


アルシアは驚き、自身を中心とした炎の円状の壁を

つくる。


ダンッ


レオは炎の壁が発生したら、すぐにジャンプをして

飛び越える。


「!?」


ボーッ


アルシアは円内の自分以外を燃やした。


「ぐっ。」


熱っ!?


「あっ。」


目を開けると、アルシアが俺の首に剣を当てていた。

あれ?

負けちゃったんだけど。


「「......」」


凄いダサい。

もう何も喋りたくない。

何か喋ったら、よりみっともなさが増してしまう。

俺は真顔で1点を見つめるしかないんだ。


「レオ様?」


「...」


「レオ様。対戦、ありがとうございました。

レオ様に会えて、本当に嬉しいです。」


アルシアは一礼してどっかに行ってしまった。


俺は1点を見つめるのみだ。

とにかく地面を見つめていよう。

この地面と友人になるんだ。

地面だけが、俺を肯定してくれる。


そうして、地面を見つめていたら自由戦の時間は終わった。


「セルロス、またそういう絵を描いているのか。」


「またとはなんだ。素晴らしい絵じゃないか。」


絵画部の部員になったセルロスは、えっちな絵を描いていた。

こんなに堂々と描かれると、俺も描きたくなってくる。 

描いちゃおうかな。


えっちな絵というのは女の絵だ。

ある程度...いや、結構露出させている。

それにしてもセルロスの女の絵は凄い。

大人の女性を描いているのだが、凄いリアルに感じる。 


「セルロス、女の裸を見たことあるのか?」


「...ああ、まあね。」


「すげー!」


「だろ?」


俺なんてガキの裸しか見たことないと言うのに。

いや、ガキではないのか。


俺の絵は全然駄目だ。

リアルではない。

こんな女が実際いたとしても、俺は何も魅力を感じない。

セルロスもそこまで上手いわけではないけど。


「ふんっ。ガキね。」


「ふんっ。」


サクナとレイが鼻で笑う。


特別生は本当に上からだな。

そりゃあ、嫌われるわ。

俺は絵が上手い人を尊敬しているから、嫌いにはなれないけど。

レイは別だが。

レイの奴、絵を描いている姿を見たことがない。

今の所は、ただの上から目線の人だ。


我らが部長は黙々と絵を描いている。

イケメン男を描いているのだが、俺は魅力を感じない。 

それでも尊敬できる。

この絵に対する姿勢は素晴らしいものだ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ