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75. ぼっち


「今日はD組内だけで行うが、次からは他の組と合同だからな。よしっ、始めろ。」


ワイワイガヤガヤ


始まった。

これは、俺からお願いしたほうがいいのか?

俺は小さいから弱いと思われて、自信のある奴が勝負を挑んでくると予想している。

ということは、自分から話しかける必要はない。

うん、俺から話す必要はないんだ。


俺は腕を組んだ。


「...」


皆は相手を見つけ、戦闘が始まった。

ガチで戦う者、友人と笑いながら戦う者がいる。

そこに俺は含まれていない。


...なんで誰も俺と戦おうとしないんだ。

そんなに魔術の授業で意気投合したのか?


「...お前、余ったのか?」


後ろにステラ先生がいた。


「まあ、そういう事になるかも知れない。」


「ならば、私とやるぞ。」


「...はい。でも、見張らなくていいのか?」


「ふっ。D組に人を殺せる人はいないよ。」


分かるのか。

流石、先生だ。

だが、俺を見落としているようだな。


「いつでもいいよ?」


身体強化はなしだ。

先生を技術だけでボコボコにしてやる。

この人、防具つけてないし。

舐めやがって。


ダッ


先生との距離はそんなに遠くない。

軽く踏み込む。


そして、顔を突く。


ガキンッ


「うっ。」


見事に流され、首元で剣をピタリと止めた。


「お前、ここでも身体強化を使わないのか。」


「先生は使ったのか?」


「使っていない。」


マジかよ...

ただの技術でやられたというのか。


「あっ!先生、あっちで怪我してる人がいるぞ。」


先生の後ろを指差す。


「なに!?」


先生が指さした方向を見た。


フュッ


ガキンッ


剣を振り下ろしたが、防がれた。


「...なんで分かったんだよ。」


「剣が振り下ろされる時の音が聞こえた。」


凄いな。

技術だけじゃ、どうやっても勝てそうにない。

だが、さっきのは俺から攻めていた。

そして、コイツは風流剣士なんだ。

つまり攻めなければいい話。


「...なんだ、攻めて来ないのか。」


ダッ


先生が踏み込んできた。


フュッ


腰に向けて剣を振ってくる。


これを防いで、俺がカウンターを決める!


「うっ。」


俺が防ぐより速く、先生の剣が俺の腰にたどり着いた。 


「私は一線流も多少は出来るぞ?」


「くそっ。」


勝てる見込みがないぞ。

今日は無理そうだ。


「あと、相手の目や腕や足を見たほうがいい。全体を見て、動きを予想するんだ。胸ばかり見ては何も予想できない。」


「...。」


バレていた。

もしかして、リリにもバレているのか!?

とても恥ずかしい。

先生はニヤニヤしているが。

もしかして嬉しいのか!?

いや、そんな訳ない。

俺を馬鹿にしているんだ。


その後も、ボコボコにされて自由戦は終わった。


負けたのに怪我がないのがムカつく。

馬鹿にされている感覚だ。

気持ちを切り替えろ。

学んでいくうちに勝てればいい。


図書館に入る。


質問し忘れていたことがあったんだ。


この図書館の管理人のもとへ行く。


「なあ、本って借りれないのか?」


「いえ、無理です。」


「...俺は特別生だ。」


「無理です。」


「俺は初級冒険者だ。」


「無理です。」


無理なのかよ、ちくしょう。

誰かに取られていたらどうすればいいんだ。


俺が図書館から出ると、廊下にヘレナがいた。

ヘレナの隣には護衛のように、2人の人がいた。

一人は男で、もう一人は女だ。

2人でヘレナを挟んでいる。


このまま行くとすれ違うな。

挨拶でもした方がいいのか?

『やあ。』って言えばいいのだろうか。

アイツもバッチがついているから、特別生だろう。

横にいる2人も特別生のようだ。

絶対、護衛だよな。


ヘレナはこっちに顔を少し向け、頭を少し下げた。

護衛の2人はすれ違うまで、ずっと俺を警戒していた。


特別生は警戒する存在なのか。

たしかに、貴族の子供なんて性格は良くないだろう。

ヘレナの挨拶は品があったな。

俺は色々と考えていて、頭を下げれなかった。


家に帰った。


ギィ


「おかえりなさいませ、レオ様。」


「...俺はどこも見ていないからな。」


「...?はい。」


胸を見ているのはバレていないようだ。

よかった。


「リリ、友人と会っているか?」


「会ってないです。レオ様、どうか私に身体強化魔法を教えてください。」


「ああ、もちろんだ。俺に任せておけ。」


ついに恩返しをする事が出来そうだ。

いや、これだけでは足りないな。


「まずは、魔力を全開にするんだ。」


「......あっ!出来ました!体の強さを感じます!」


「...あ、そう。よかったな。」


リリは恩返しをさせてくれないな。

リリの望みを見つけなければ。


「レオ様、ありがとうございます!」


「おう。」


お礼を言われてしまった。

なんか、恥ずかしいな。

凄い俺がダサく感じる。

まあ...リリが笑顔なら、それでイイんだぜ。



ペラッ


今日もサボって魔族語の勉強だ。

頭に入っていると思うのだが、復習をしていると忘れていることに気づく。


この後は、部活動見学だ。

俺が入部したいところは決まっているけどな。


ゴーン


そして、部活動見学。

まずは剣士部に行こう。

今は体育館にいるらしい。


「はっ!」


「やっ!」


剣を振っている。

全員が似た動きをしていたので、型の練習だろう。

俺は型なんて意味ないと思うけどな。

実践では人だけじゃなく、魔物もいるんだ。

それに魔法が予想外の方法で飛んでくる。

そんな場所で型なんて助けにならない。

型が意味を成すには膨大な量を覚える必要がある。

そんなのは無理だろう。


「へっ。」


レオは嫌味な笑みを浮かべる。


端っこでは、剣士部を紹介していた男の人が1年生に説明をしていた。


俺は行かないぞ。

説明を聞いたら、俺がこの男に憧れているみたいじゃないか。

俺は入り口で見るだけだ。


でもコイツら、剣の技術だけで見たら俺より上なんだよな。

くそっ!ムカつく。


あ〜、駄目だ。

嫌なことばかり考えてしまう。

だから友人が出来ないんだろう。

分かっているのに...


「はぁ〜。」


次へ行こう。


魔術部だ。

細かい事だが、ここを魔術部と言うなら剣術部にして欲しかった。

なんでわざわざ剣士部なんだよ。


こっちは練習というより見せ物を披露している感じだ。 

さっきから綺麗な魔法ばかりを見せてくる。

これらは全て、俺への自慢だろう。

嫌な奴らだ。

永遠に身体強化魔法だけを極めてろよ。


「はぁ〜。」


次だ。


演劇部は結構人気だった。

部員がたくさんいた。

まあ、剣士部とか魔術部には劣るけど。


演劇部は説明ではなく、演劇をしている。


「はぁ〜、私が可愛くて困ってるの。いろんな男が寄ってきて、毎日迷惑!本当にもう、どうしよ〜!」


「困っているのかい?困っているのなら、それはつまり、困っているということだろう?」


「え〜!?なんで分かったの〜!?」


「それはね、君のハートが僕に教えてくれたのさ。」


「ドキドキしてる、これが恋なのね!素敵。」


「君のほうが素敵だよねー。うん!そうに決まってる。」


「決まっているの?」


「うん、決まっている。」


「キャ〜!!もうやめて〜!!」


...やっぱり演劇は音楽があった方がいいのかも知れない。


次は音楽部。

とても良かったが、俺は聞いていたい。


次は装備部。


おっ。

ここも意外と人がいるな。

この場所は別の建物で、学校の敷地内だが、学校とは少し離れている。


ガンッ

ガンッ


シャコシャコ


なんかよく分かんないけど、それぞれが色々な事をしている。

今はみんな剣を作っているようだ。

少し面白そう。


次は魔法陣研究部。


これは気になっている。

魔法陣とはなんだ?


教室で活動していた。

装備部を最後に行けば良かった。

というか、この後は授業があるんだよな?

本当に見せるための時間って感じだ。

部員の人も、少し不満気な顔をしている。


ここも人が結構いる。

人気ではあるようだ。


「という事なんだ。君達も興味は沸かないか?」


1年生への説明が終わったようだ。

もう一回話してくれるかな。


「おっ。新しい人も沢山来てくれたね。ありがとう。

じゃあ、また説明をします。まず、魔法陣というのは誰でも、魔力を流したら魔法を放てるようにする紙のことだよ。僕たちはその紙を作っているんだ。いや、

書いていると言ったほうがいいかな?」


こっちの反応を伺っている。

きっと『いや、書いていると言ったほうがいいかな?』 

も、事前に考えていたのだろう。

あっ、また嫌なことを考えて...


「魔法陣というのは難しくてね。まだ基礎魔法しか使えない状態なんだ。魔力の形を、紙に書く紋様によって変化させられるんだけどね。魔法が放たれる時の形と同じように変化させる必要があるんだ。だけど、その形がよく分からないんだ。もし、新しい魔法陣が作れたら、国を挙げて祝われるんだよ。君達も興味が沸かないか?」


さっきと終わり方が違うな。

自分なりに分かりやすく変えているのだろう。

だが、いまいちよく分からない。

魔法が放たれる時の魔力の形?

これを再現するのか?

意味が分からないが、俺は魔力を出せないからどうでもいい。

勝手にやってろ。


さて次は、お待ちかねの絵画部だ。



















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