73. 部活
「次は部活動紹介だ。体育館に集まってくれ。」
...じゃあ、先に部活動紹介をしてくれよ。
なんで一回授業をしたんだ。
無茶苦茶だな。
俺達はまた、体育館に集まった。
また入り口が混雑していたので、少し時間を置いてから入った。
そしてまた、端っこに座った。
さっきの声の小さい人はいないみたいだ。
人が多くて探す気にもならない。
部活動紹介って言っていたよな。
う〜ん、何だそれ?
何かの活動を紹介してくれるのは確かだ。
剣術コースとか魔術コースとかのあれか?
「集まったな。すまない、集まるのに時間がかかってしまった。というわけで、部活動紹介を始める。」
体育館にある舞台の端から男の人が出てきた。
剣を持っている学生のようだ。
俺の感がリーダーだと言っている。
リーダーの雰囲気がある。
あとイケメンだ。
ブサイクなリーダーっていないんじゃないか?
「俺は剣士部に所属している。この部では、剣術を極める事を目的としている。真剣にやる時もあるが、普段は楽しくやっている。君たちの入部を期待している。」
ざわざわ
「ねえ、今の人イケメンじゃなかった?」
「うん、イケメン。」
「かっけー。」
男女を問わず人気なようだ。
いや、それは分からないか。
大きな声でコソコソと話す人なんて限られている。
そいつらを男や女の代表にするのは違うよな。
でも、絶対人気だと思う。
証拠なんて、なくても分かる。
俺も剣術を極めたいからな、趣味だけど。
剣士部は悪くないかも知れない。
これが部活動か、つまりは皆でやる趣味だな。
剣士部の人は軽く剣で見せ技を披露して舞台を捌けた。
そして、端から別の人がやってくる。
今度は女の人だ。
おそらく、別の部の人だろう。
どれだけあるんだろう。長くなる予感がする。
「私は魔術部に所属している。魔術は魔法を楽しんで学んでいく場所だ。仲間も多くてきっと自分にあった友人を見つけられるだろう。歓迎の準備は出来ている。是非、入ってくれ。」
美人だ。
なぜだかムカついてきたな。
そういうリーダーしか存在しないのか!?
その後、見栄えのいい魔法を披露して捌けた。
俺なんて、身体強化しか使えないのに。
しかも、その身体強化も先生に違うと言われたし。
なんてムカつく奴なんだ。
俺への自慢なのか?
その後も、音楽部、演劇部、装備部、魔法陣研究部が来た。
どの部の人も整った顔をしており、優しい人だという印象を受けた。
音楽部は面白そうだったけど、俺は楽器を奏でるんじゃなくて聴きたいんだよな。
装備部は武器とかを作るらしい。
魔法陣研究部は魔法陣を作るらしい。
装備部と魔法陣部は難しそうな事を言っていたので、難しい事をしているのだろう。安直な考えだが。
正直、魔術部以外は全て面白そうだ。
複数の部活動に所属するのは可能なのだろうか。
次の人がやって来た。
まだあるのかよ。多いな。
女の人のようだが、姿勢が悪い。
変わった人だな。
今までの人とは違う雰囲気の人だ。
「あっ、え〜っと、私は絵画部に所属しています。なので、え〜是非、入部してください。」
その後、何もせずに舞台を捌けた。
絵画部だと?
絵を描くのか...なんていい部活だ!
素晴らしい部活もあるものだな。
その部活には絵が好きな人達で溢れかえっていて、
絵の魅力について語り合えるのだろう。
入部しなければ。
周りの反応は良くなさそうだ。
興味がない顔をしている。
剣士部と魔術部が最高の反応だったな。
「はい、これで部活動紹介を...」
「待って!!待ってくださ〜い!忘れてますよ〜!」
「え?そうだっけか?すまない、どうぞ。」
男の人だ。
そして、今までの人と違ってイケメンではないようだ。
この人も変だな。
「僕は魔物研究部に所属している。魔物研究部はとっても楽しい部活なんだよ。デュフ、デュフ、デュフ。
魔物や魔力、この世界についてを研究するんだ。
皆も一緒に、この世界の秘密をあばこうぜ。」
話し終わると、舞台から降りて俺達のように座った。
いやお前、1年生かよ。
ヤバい奴だな。
だけど、ロイやマイクに似ている。
入部しようかな。
複数の部活動に所属する事が出来れば入る。
出来なければ諦めよう。
「以上だよな?よしっ、終わる。次はAとB組は庭に、CとD組はここに、他は教室に行ってくれ。」
...なんか、EとF組の人が可哀想になってきた。
扱いが酷い気がする。
やはりA組がトップで、そこから下がっていく感じだろう。
ということは、俺はD組だから...普通?
まあ、普通の扱いを受けるならそれでいい。
「CとD組の人、集まってくれ。剣術の授業をする。」
ステラ先生が舞台の上から話した。
腕を組んでいる。
顔もほんの少しだけ笑顔だ。
風流剣士だもんな、魔術より剣術の方が好きだろう。
「集まったな。よし、今日は剣術の種類を教えてやる。」
風流と一線流のやつか。
「剣術の種類は一線流と風流がある。簡単に言うと、一線流は攻めの剣術で、風流は守りの剣術だ。
私は風流だから、風流がいいと思っている。
だが、人それぞれだから真に受けるな!」
なんで最後怒り気味なんだよ。
風流は守りか。
ということは、カウンターで相手を仕留めるのだろう。
俺は攻めのほうがいいと思う。
冒険者なら攻めなきゃ魔物を倒せないと思う。
守っていたら、逃げる場合もあるしな。
「あと、剣術には身体強化が必要になってくる。
基礎魔法も一緒に使って戦闘をする人もいる。」
あの先生、こっちを見ないでほしい。
そして、あくまで見ていない感じの演技をしないでほしい。
見るならガッツリ見てほしい。
身体強化できるって言ってるのに。
ステラ先生の言葉は本当だと思う。
剣術には技術以外にも速度と力が必要になってくる。
そして速度と力を上げるには身体強化が必要だろう。
身体強化は完璧だと自負できる。
だから剣の技術を学びたい。
身体強化ってしない方が技術が身につきやすいよな。
そう思った俺は身体強化をせず、授業を受けた。
風流と一線流の基礎技を習ったが、綺麗に剣を振れず苦労した。
先生は生き生きとしていたが、俺は悲しくなっていた。
なんで出来ないのか。
魔術は出来なくてもいいのだが、剣術は出来ると思っていた。
せめてもの救いは、俺みたいな人も体育館に結構いたという事だ。
まずは初級になりたいな。
どうやって初級になるのだろう。
試験とかあるのか?
何にも分からないな。
早く聞ける友人がほしい。




