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神様の導きと俺の何度目かの人生。  作者: 可愛い
第一部 第四章 見果てぬ想い

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回想-聖都【前編】

よろしくお願いいたします。

俺は目を覚ました

いつの間にか寝てしまっていたようだ


「あはははははは」

女の笑い声が耳に入ってくる


目を開けようとするが瞼が重い

「聖女様を呼びに行ってもらったから」とユッタの声が聞こえる


聖女?

俺たちは馬車で宗教都市に向かってたはずだが・・


眠っている間に着いたのだろうか?でも聖女がわざわざ出迎えるはずは無いと思うんだが・・

やっとの思いで目を開けるとユッタがホッとした表情を見せるが直ぐに悲痛な表情で


「聖女様を呼びに行ってもらったから」

と再度告げて俺の手を強く握ってくる


「あはははははは」

女の感情の無い笑い声が響き渡る


ユッタが声のするほうに顔を向け睨みつける

普段の穏やかなユッタからは想像ができないくらいの眼光を見て俺はユッタの手を強く握る


「ユッタ・・」ユッタが視線を俺に向ける

「ユッタ、君の凛々しい顔も素敵だよ」自分でも驚く発言をしてしまう


ユッタは驚いた表情を浮かべ何かを話そうとするが俺は聞くことが出来なかった


俺は再度目を覚ます

場所は神殿内で聖女とお付きに連れられた黒髪の少女を前にしていた


宗教都市に着いたのか・・先ほどの光景は夢だったのだろうか・・

いや聖女が来るまで俺は寝ていたのか?


俺の困惑をよそに聖女から急ぎの帰還に関しての労いと説明があった

隣に立ち満面の笑みを浮かべた黒髪の少女は俺の妹で保護すべき対象だと告げられる


どうやら姉と係わりのあった子爵家の次女が学園に通うこととなり妹を護衛役にしたいと働きかけたのだという


ハルドールさんから連絡を受けた聖女が親である男爵に要求が伝わる前に根回しして引き取ったという


子爵家は妹が神殿に入ったことで他の護衛役を選出したのだが念のため子爵家の次女が卒業するまでは宗教都市内の神殿で預かることが決まっているそうだ


俺は話を聞いて神に感謝した


聖女の保護が間に合わなければ

姉を切り捨てた男爵家が妹を駒のように扱かい再度切り捨てる可能性があったからだ


俺は聖女に心からの感謝を伝える

感謝を伝えながら今以上に生家を嫌いになりたくない自分の気持ちも自覚する


「会いたかった」

少女が微笑みながら寂しげな声で伝えてくる


俺の脳裏に姉が思い浮かぶ

馬車の上から見えなくなるまで手を振っていた姿、出発時に泣いてた姿


「俺もだよ。姉さん」

言ってしまってから自分の言動に気づいて改めて少女を見る


笑顔が消え大きく驚いた瞳を俺に向けてくる少女

似てるな・・・でも、目の前にいる少女は姉ではない


俺は改めて自己紹介を行いユッタを紹介しようとすると少女が抱き着いてきた

「ありがとう、本当に会えた」


聖女の侍女が慌てた様子で声を上げる

「この出会いを神に感謝を」


侍女の声を聞き少女がハッと顔を上げて俺から距離を取る


周囲を見渡すと聖女もユッタも微笑んではいるが

多分、この世界ではは(・)し(・)た(・)な(・)い(・)行動だったんだろう


その後に聖女から俺は護衛役を、ユッタは教育役も兼ねて同室で面倒も見るように仰せつかり

聖都から出なければ自由に過ごしてよいと告げられて会見は終わった

お読みいただきありがとうございました。


無断転載禁止。翻訳も禁止。

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