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妖魔大戦  作者: 香織
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地獄の陰陽師会合④


「……潤、大丈夫?ほんま、ごめんな…。」



会合が終わり一同が解散した後、がらんとした部屋でみやびが潤に謝る。



「…大丈夫、いつもの事だから。それに、百寺が謝る事じゃない。」



潤は無表情のまま、首を振った。



「…でも、うかない顔してんで?」



「それは、二階堂の件だろ。陰除の印がないとか…。」



月城が腕を組んで言う。



「ああ。それってほんまなん?…ってか、なんでウチらに何一つ言ってくれんかったんや!」



みやびは会合部屋の隅でカバンの中身を整理していた大山先生を睨む。



「えー?だってあれ、嘘だもん。」



『…は!?』



3人が声を合わせる。



「苦肉の策だよ、あれは。今日はどうせ二階堂の事で詰問されると思ってたから、前もって言い訳を考えてきたわけ。」



「ほ、ほんまなんやな?」



みやびは真剣な眼差しで見つめる。



「…うん。だから、今日言った内容について、何も思い悩む必要は無いよ。…じゃ、お先帰るね〜。」



そう言うと大山先生はカバンを肩にかけて、部屋を出た。



パタンとドアが閉まる音が聞こえた後、みやびや潤は少し安堵の表情を見せたが、月城だけは納得できない顔をしていた。



なぜなら月城は彼が嘘をつく時の癖を知っていたからだ。



先程、彼は話をしながら耳たぶを触っていた。



耳たぶを触りながら話している時、その話は十中八九大ウソである。これは本人も無自覚であり、人間観察が好きな月城だけが知っている情報である。



「誠也、どうしたん?」



みやびが顔を覗き込む。



「…。ああ、ちょっとな。今の話だが……」



ピロン♪



月城の言葉を遮るように、携帯の音が鳴る。



「…あ。うちのケータイや。ちょっとごめんな、玲奈さんからや。」



みやびがチャットのトーク画面を開く。



「玲奈さんって、御堂家の次期当主だよな。今日は現当主しかいなかったけど。」



月城が言うと、潤が説明する。



「例の呪いの進行で理斗の具合が良くないらしい。それで今回は、看病の為に自宅にいるそうだ。」



「そうそう。理斗大丈夫かなぁ?…………。ええ!!??」



みやびはチャットに送られてきた写真に驚愕した。思わず潤と月城も覗き込む。



「どうし…………え!?」

「まじで…!?」



写真には不機嫌そうに写真を撮られる理斗の姿。驚くべきはその顔だ。



あれほど力を尽くしても治らなかった理斗の顔の腫れが綺麗さっぱりなくなっていたのである。



そして、いつも長い前髪に隠された素顔は超美少年。女の子と間違えられそうなレベルであった。



「まさか理斗がこんなべっぴんさんやったとはなぁ。ちょっと新学期に会うの、楽しみになってきたわ。」



ピロン♪



みやびが言い終わると同時に今度は潤の携帯が鳴った。



「!」



潤はチャットの送り主の名前を見て、目を丸くする。



「……もしかして二階堂か?」



月城がニヤニヤした顔で尋ねる。



「な、なん、なんでわかっ……!」



途端に潤の耳と頬は赤く染まった。



「潤、アンタわかり易すぎるんよ。意外と顔に出やすいタイプって自覚してる?……で、茉莉花ちゃん、なんて?」



みやびも悪そうに笑みを浮かべて、潤の携帯を覗き込もうとした。



潤は見られまいと内容を確認したら携帯をサッと隠し、そのままカバンにしまいこんだ。



「……なんでもない。それより、今すぐ帰らないといけない用事ができた。」



そう言いながら、カバンを肩にかけて潤は部屋を出ようとする。



「ちょ、どこに行くんだよ?」



「……横浜に戻る。」



「でも聞いてた話じゃ…明後日、東京から横浜に行くバスに乗るんじゃなかったか?」



「タクシーで行く。今すぐ向かわないと…間に合わない。」



そう言い残し潤は颯爽と去っていった。



「………。金持ちめ。」



「あはは!ほんと、茉莉花ちゃんってすごい子やな。いったいどんなお誘いをメールでしたんだか。」



そして呆れる月城と、嬉しそうな表情を浮かべたみやびが2人、部屋に残されたのだった。

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