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妖魔大戦  作者: 香織
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終わらない夏祭り⑯


「あなたは、その体の持ち主ではない。持ち主の体を乗っ取っている。……違いますか?」



茉莉花は紳士の妖怪を睨んだ。



「ははは……どうして、乗っ取っているなんて思うんだい?その証拠はっ……!」



もはやその動揺が証拠だと思うのだが。まあ、証明してあげよう。



「あなたとこの世界を創造した妖怪には、共通点があります。それは、別次元に世界を生み出せる点です。あなたが、収納の術をつかえば物を制限なく収納できると言った時、ふと思ったんですよ。それ、この世界の創造主の術でもできることじゃないか、ってね。」



「た、確かにそうだが……!」



「はっきり言いますが、こんなレベルの高い術を使える妖怪がそうゴロゴロいるはずがないんですよ。」



「……。」



「そろそろ認めては?そろそろ限界でしょう。さっき、あなたの魂を破壊したんだから、もう消滅するはず。」



茉莉花は先程、2つある魂のうち、陰の気のより薄い方を破壊した。



推理が正しければ、残った方の魂は剣人のものだろう。



「くそっ…!くそくそくそ、たかが小娘ごときにっ……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」



頭のない体が苦しそうにのたうち回る。



その後、ピタリと動きが止まり、死体のようになってしまった。これできっと、この体の本来の持ち主が目覚めるはずだ!



……



…………



………………



「……。」



10分ほど待ったが、なーんにも起きない。



おかしいな。確かに体の中に魂は1つ残っているんだけど。



カサカサカサカサ……!



なんだか周りの新聞が嘲笑うかのように自分の周りを飛び回っている気がする。



コイツら、なんか知ってるのか?



「ちょっと!なんか知ってんなら教えてよ!」



カサカサカサカサカサカサ!



……やっぱり、煽ってきている。



かくなる上は、、



「これ以上からかうなら、どうなるかわかってるよね。」



茉莉花は先程コンビニで購入したミルクティーのペットボトルを手に取った。



年季もので貴重なことはわかっているんだけど、なんだか腹立つししょうがない。うん。



バサバサバサバサ!!!



茉莉花がミルクティーのフタを開けると、新聞たちは一斉に隅の方に移動した。



……案外、人間味のある奴らだな。



そして、書斎の部屋の奥に扉があることに気がついた。



今まで新聞が隠すように覆っていたため、気が付かなかったようだ。



茉莉花はもちろんその扉の方へ歩き、ガチャリと開けた。



「……おじゃましま…す、、」



中は真っ暗。なにがあるのか全く見えない。



茉莉花はスマホを取り出し、ライトを光らせた。



「きゃあ!?」



光らせた瞬間、視界に映ったのは男の生首……がペット用の檻の中に入ったものだった。



「き、急に動かない、よね?」



茉莉花は檻のドアを開けた。



檻の鍵は外からであれば簡単に外せるようになっている。



あとは、生首を取り出してみたいところだが…



「うげぇ……。」



思わず声が漏れるほど、生首って気色悪い。



全身に鳥肌をたたせながら、茉莉花は生首を抱えて、部屋を出た。



改めて明るい所で見ると、茉莉花はあることに気づいた。



「よく見たら、角がはえてる……。」



と、いうことは、、、



チラッと頭のない死体(?)を見る。



恐る恐る生首と組み合わせると、案の定シンデレラのガラスの靴のようにフィットした。



鬼の青年は年齢が20歳くらいの、素朴で真面目そうな日本男子という風貌だった。



頭と首のつなぎ目は綺麗に繋がり、もはや眠っているように見える。



だけど、やっぱりピクリとも動かない。



鬼って、ヤマトいわく死なないんじゃなかったっけ。……あ、でも鬼によって復活の速度って違うのか。



しかし、さっさと復活してもらわないと、この空間から出るすべがないのだ。



なんといってもここは、元の世界とも縁日の世界とも切り離された異世界なんだから。



茉莉花はあたりにある新聞を読み漁りながら、彼の復活を待った。



どうにかして、この世界から脱出をしようと途中で何度も試みたが、全く出られる気配がなかった。



理斗は大丈夫だろうか…。



ずっとその不安でモヤモヤしながら、十何時間が経ち、気がつくと茉莉花は眠ってしまった。



……



…………




「…………ん、……ま…せん、すみません!あの、起きてください!」



誰かから大きく体を揺さぶられる。



「……。……はっ!」



茉莉花がガバッと目を覚ますと、そこには先程まで全く動かなかった鬼の青年が心配そうにこちらを見ていた。

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