死のカウントダウンは突然に⑫
ホームルーム後、茉莉花はスマートフォンで「キザクラ神社」と調べた。
すると、検索結果には"木桜神社"、"福岡県"のキーワードが並んだ。
ふ、福岡県!?あの、九州の!?
天音輪道鬼のあの軽い言い方だと、近場だと思うじゃん!
まさか、一人旅させられる羽目になるなんて。
交通費とか、宿泊費とか、おじさんにお願いしなくちゃな……。
「はあああぁ。」
「どうしたんや?ため息なんてついて。」
「!!!」
茉莉花は身体をビクッと震わせた。いつの間にかみやびが茉莉花の隣にいたのだ。
「……なんでもない。っていうか、どうしたの?」
「もー。相変わらずクールやなぁ。そりゃあもちろん、、、」
みやびはガシッと茉莉花の腕を組んだ。
「ちょっ……!!!」
「一緒に帰るに決まってるやん!」
「ええええええ……。」
めんどくさいし、断ろうかと思ったが、いつもより何倍も強引なみやびにズルズルと引っ張られる。
「このあと、暇?今日は登校日やし、特に予定も入れとらんやろ?遊ばへん?近くにできたカフェでお茶とかどうや?」
全部疑問文で聞いてくるわりに、何も答えさせてくれず、どんどん遊ぶ予定が組まれていく。
「な、なんでそんな急に……?」
茉莉花が尋ねると、みやびは笑顔で言った。
「うち、決めたからな!茉莉花ちゃんと親友になってみせるわ!」
「は、はぁ…。」
「嬉しかったんや。死ぬかと思ったあの時、茉莉花ちゃんが、同情じゃなくて、激励をくれた事が。うち、茉莉花ちゃんの言葉があったからあの時、陽の気を身体中に巡らせて、呪いの進行を遅くできたんや。諦めてたら死ぬところやったんやで。」
「そ、そうなの!?」
「……うちは、茉莉花ちゃんと本当の仲良しになりたいと思ってる。本音とか何でも話せるような。…………嫌、かな?」
みやびはシュン、とした顔になる。
「そ、そんなわけないに決まってるでしょ!」
茉莉花は咄嗟に言う。茉莉花の慌てた様子を見て、みやびはニッコリ笑う。
「あはは、茉莉花ちゃん、顔真っ赤。うちまで照れてまうやん。ほな、遊びに行くでー!」
「……。」
なんか、急にみやびの手のひらで転がされてないか…?
でも、心のどこかで遊ぶのが楽しみな自分がいる。
まぁ、今日くらいは何も考えず、遊んでもいいかな。
数時間後……。
《ゴメンな、潤♡
しばらく恋の応援はお預けな〜
うちは友達と仲を深めるのに忙しいからな!》
潤のチャットにみやびからのメッセージが届く。
そして、かき氷を美味しそうに頬張る茉莉花をこっそり盗撮した写真が送られてきた。
潤はなんとも微妙な顔でみやびからのメッセージを見る。
そして一緒に送られてきた茉莉花の写真を見て、3日前に偶然茉莉花と近距離で見つめ合った時のことを思い出した。
「…………。」
潤はポスン、とベッドに倒れ込み、枕をギュッと抱きしめるのだった。




