表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖魔大戦  作者: 香織
65/101

死のカウントダウンは突然に⑪


自分が死ぬために、私を妖怪にする…?



茉莉花は首を傾げた。



「……どういうことですか?」



「はは。実はかなり強くなりすぎたんだよね。だから、陰陽師も妖怪も誰もアマネを殺してくれない。」



「あなたは……最強ってこと?」



「実力でいうなら、アマネより強い奴は現時点で2人いるよ。もう茉莉花も知ってるのかな?八岐大蛇(やまたのおろち)陽道紫苑(ようどうしおん)だ。」



陽道……。それはもしかしなくても…。



「潤のお兄ちゃん……?」



「うんうん。セーカイ。1対1で戦うんだったらその2人には勝てない。でもね……。」



天音輪道鬼(あまねりんどうき)は右手から禍々しい黒いエネルギーをだして、左手を破壊した。



「何してるの!?」



「まあ見てなって。」



天音輪道鬼は表情ひとつ変えず、左手を見つめる。



するとみるみるうちに、破壊された左手はもとの形へと戻っていった。



「……。」



茉莉花はあんぐりと口を開ける。



「これが誰もアマネを殺せない理由。«不滅の術»っていってね、オート発動で、何度傷つけられても、殺されても、このように"元通り"になる。これまで何度も殺されてきたけど、この通りピンピンしてるんだよ。」



「……じゃあ、絶対に死なないってこと?」



「いまのところね。でも、それを解決するのが、茉莉花だ。」



天音輪道鬼は茉莉花を愛おしそうに見つめる。



「……私?」



茉莉花はゾッとして後ずさる。



「そう。昔、アマネと契約した人間がいてね〜。いろいろあって、その人間は妖怪になったんだけど、なんとその子の攻撃だけは不滅の術の発動が少し遅くなったんだよ。」



「術の効果が遅くなった…?」



「 その時思ったんだ。アマネの術をやぶれるのは、アマネの力の影響を受けた妖怪だけだって。」



うーん。なんだか難しい話で、よく理解ができない。



茉莉花の腑に落ちない様子を察して、天音輪道鬼は簡単にまとめる。



「つまりね、アマネと契約することで、アマネの陰の気を身体に溜め込むことになるでしょ?そして、そのまま妖怪になれば、アマネの力を継いだ強い妖怪が出来上がるってわけ。その妖怪こそ、アマネを殺せる唯一の存在ってこと。」



……なんか、私が妖怪になる前提で話している気がする…。



「でもその方法をなんで今までやって来なかったの?」



「そりゃあ、試したさ。だけど、アマネの陰の気を溜め込める妖魔師なんて、今までいなかった。ぜーんぶ失敗作だよ。」



失敗作だなんて、ひどい言い方。



「その"失敗作"の妖怪達って結局どうなったの?」



「あー。みんないろんな場所にいるよー。…………ちょっと時間がなくなってきたなぁ。夢の介入も結構力を使うから、そう何回もすぐにできることじゃないし。結局、青い目についても説明ができなくなっちゃった。」



確かに世界がぐにゃぐにゃと歪み始めている。



私、夢から覚めようとしているのかな?



「そうだ!茉莉花もまだまだ知りたいことが多いでしょ?……キザクラ神社ってとこに行ってみて。そこに、茉莉花の疑問を解決してくれる妖怪がいるよ。」



「キザクラ神社…。」



「じゃあね。困った時はいつでもアマネを呼んでよ。」



いや、天音輪道鬼を召喚する=死んで妖怪になるってことじゃん。



「呼ぶわけないでしょ!!!」



茉莉花がそう叫んだ瞬間、世界が完全に崩壊した。
















「……い。……おい。おい、二階堂!起きろ!」



「……ん。むぅ。……うわっ!!!」



寝ぼけた視界に飛び込んできたのは、大山先生の顔。



「なんだよ?先生を化け物みたいな扱いしやがって。ってか、ホームルーム中に何ぐーすか眠っているんだよ。」



クラスのみんながクスクスと笑う。



やっぱり、徹夜なんてするもんじゃないなぁ。



「あー。ホント、スミマセン。」



大山先生は、はぁ…とため息をつく。



「ぜんぜん反省してないなぁ。まぁ、いいや。」



大山先生はグイッと茉莉花に近づいて、小声で言った。



「何か相談事があったら、いつでも言えよ。」



「……へ?……あ、はい。」



大山先生はまた、もとの声のトーンに戻り、生徒全員に呼びかける。



「んじゃ、今日はこれで解散な。お疲れ様ー。」



その声を合図に、クラスの人は各々教室から嬉しそうに出ていった。



ふと、茉莉花は自分の手が汗でぐっしょりと濡れて、小刻みに震えていることに気がついた。



夢の中では平然を装っていたものの、天音輪道鬼の気迫、存在感に内心寒気を感じていた。



……身体は素直、って奴か。



おそらく、顔も汗だらけなのだろう。



大山先生はそんな私を見て、何かを感じたんだろうか。……もしそうだったら、本当に有能だなぁ。



さっきの出来事について、出来ればすぐにでも話してしまいたい。



しかし、青い目について、全く情報がない。



さっきの出来事を話せば、キザクラ神社に行くことをきっと反対してくるだろう。



だから何となく、先生や潤たちに報告するのは、ひとまず情報を得てからにしたい。



「キザクラ神社、か…。」



茉莉花は忘れないうちに、配布されたプリントの空いているスペースに"キザクラ"と書き残した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ