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妖魔大戦  作者: 香織
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死のカウントダウンは突然に⑧


潤はみやびに付き添っている月城に電話をかけた。



プルプルプル……



『潤!二階堂と合流できたか!?』



「ああ。だが、解決するにはまだ時間がかかりそうだ。……あとどれくらいリミットがある?」



『あと死印は4つしか残ってないぞ!とにかく急いでくれよ!』



「わかった。なんとかする。」



ピッ。



……思ったより死印の進行が早い。



潤はため息をついた。



「くそ。アイツを探すには…どうすれば……。」



「煙のように消えたから、どっち方面に行ったかもさっぱりだしね。」



茉莉花も頭を抱える。



「どうせ、近くにいるわよ。アイツのことだし。」



「!?」



小野さんの声だ。



茉莉花と潤は同時に後ろを見る。



……小野さんって洗脳、まだされてるのかな?



「小野さん、えっと、その……。」



茉莉花が少し口ごもると、小野さんはキッパリと言った。



「…もう操られてないわ。操られてた時の記憶もあるから、状況も理解してる。」



ああ。とりあえずよかった…。



潤は小野さんに質問する。



「それで、近くにいるとは?」



「アイツはね、1度決めたことは絶対実行しなきゃ、気がすまない面倒臭い性格なの。さっきは思ったより建物の崩壊が遅かったために、私たちをしとめ損なったみたいだけど、どうせもう一度仕留めるチャンスを近くから伺っているでしょうね。」



「なるほど。じゃあ、待っていれば姿を現すのか?」



茉莉花は首を振る。



「すぐには来ないと思う。おそらく、みやびの死印が消えた後だろうね。」



「そ、そうか……。俺はあまり陰の気の感知が得意じゃないし。」



「残念だけど、私もよ。洗脳されてた時は結構感知できてたんだけど。」



小野さんもお手上げのポーズをしている。



どうする…?近くにいるとわかれば、適当にそこら辺を捜索するしかなくない?



いや、相手は姿をほとんど消せる。でも、向こうは私たちの姿が見えるわけだし、探しても無駄だろう。



でも、みやびの命のタイムリミットは残りわずかだ。何をするべきなの?それとももう詰んでるの?



……考えてもいい案が浮かばない。鬼門院なんて本当に名ばかりじゃないか。



《…………陰の気を感じて。茉莉花ならできる。》



「え?なんか、言った?」



潤や小野さんは首を振る。



何だろ。今の声。



《左目を閉じて、右目に神経を集中させるんだ。》



頭の中に、またよくわからない声が響いてきた。



何が何だかよくわからないが、とりあえずその通り左目を閉じる。



そして、右目に力をこめる。



「……………………………………なにこれ!?」



自分の周りが真っ黒いオーラに包まれているのが視える。これが陰の気か。……視覚化すると皆が私の陰の気が濃いと驚く理由がわかった。



更に、前方の少し遠くには青いオーラが煙のように漂っているのが視えた。……おそらく煙丸だ。



「茉莉花様!また目が……。」



ハクが驚く。



「え?また?」



やっぱり、さっきの青い目は見間違いじゃなかったんだ。いったいどんな現象なんだろう。



「あ、、、戻りました。」



まぁ、全然持続しないみたいだけど…。

とりあえず、そんなことはどうでもいい。



「潤!あっち、陰の気が濃い!」



茉莉花は瓦礫の山の方角を指さした。



「?ああ。わかった。」



潤は試しに、自分の持っている剣を、そちらに向かって投げつけた。



「痛ぁっ!」



「!!!」



短い悲鳴が聞こえた後、見事に剣が腹に突き刺さった煙丸が姿を現した。



恐ろしい人……。まさか、クリーンヒットさせるとは。



「はーぁ。油断したなぁ。俺の負けだよ。完敗。」



どうやら、核までちゃっかり破壊していたみたいで、煙丸の体はハラハラと消えてしまっている。



「……消える前に、何か情報を吐け。お前が仕えているヤツは誰なんだ。」



潤は煙丸に詰め寄る。



「うーーーーん。ま、ご褒美に教えてもいっか。俺がずっと仕えているのは……鬼門院だよ。」



潤は目を丸くし、茉莉花を見る。



しかし、茉莉花はこんなこと初耳情報でしかないので目をパチパチさせる。



「そこの譲ちゃんは関係ないよ。俺が仕えているのは、彼女の従兄弟たちだし。」



「鬼門院は何を企んでいるんだ!?」



「それはナイショ。鬼門院の現当主サマは怒らせると怖いんでね。……んじゃ、消えさせてもらうねー。」



煙丸はそう言うと、きれいさっぱり消えてしまった。



「ぬらりひょん。本当に掴みどころが無い妖怪……。」



茉莉花はボソリと呟いた。

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