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妖魔大戦  作者: 香織
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死のカウントダウンは突然に⑥


マンションの中の壁は半分ほど壊されており、前回訪れた時よりも、空間が広く感じる。



小野さんは想像以上にあっさり見つかり、1階のロビーだった場所に立っていた。



「茉莉花様。どうするんですか?正直、私の力では小野さんの呼ぶ妖怪には勝てませんよ。」



だろうね。小野さんが前回召喚していた、たくさんの手が集まってできた気味の悪い妖怪にも敵わないハクが、その何倍もヤバい煙丸に勝てるはずがない。



「……うん。まぁ、任せてちょうだい。」



茉莉花はゆっくりと小野さんに近づき、目をしっかり合わせる。



「……なんで追ってくるのよ。しつこいわね。」



小野さんの糸目がよりいっそう細くなる。



茉莉花はニヤリと笑った。



「あなたを殺しにきたの。小野さん。……いや、煙丸。」



その瞬間小野さんの目は大きく開き、少しした後、気絶してしまった。



「なぜわかった。」



後ろから声がする。



茉莉花はゆっくり後ろを向く。



そこには煙をまとって浮遊している煙丸がいた。



「ずっと疑問だったの。煙丸にとっては陰陽師は邪魔な存在でしょ?どうして陰陽師が殺せるチャンスを逃してまで、小野さんを私たちに殺させようとするのか。……だから、少し考え方をかえてみた。『どうやったらみやびも小野さんも両方殺せるのか?』ってね。」



「ほう……。」



煙丸は興味深そうに笑った。



ハクは目を丸くしている。



「これは仮説だから合ってるかは賭けだったんだけど、小野さんは誰かに操られていたんじゃないかなって。……だとしたら、死印をつけた人っていうのは、その誰か、になるわけ。」



茉莉花はそう言って、煙丸を指さした。



「そしてもし、この仮説が合っているとしたら、煙丸の目的は明確になる。私たちに小野さんを殺させる。そして、結局本当に死印をつけた者を消滅させてないために、みやびも殺せる。」



茉莉花が言いきると、煙丸は大袈裟に拍手をした。



「くっくっくっ……。いやぁ。なめてたなぁ!ただの小娘だと思っていたけど、さすがあの人のムスメだね。大正解!ほとんど君の仮説通りだよ。」



「……どうして、小野さんを…。」



「それはね。邪魔になったからだよ。今まで洗脳して操っていたんだけど、最近彼女は陰陽師どもから注目を集めすぎちゃってね?捕らえられて、情報を取られるよりは、さっさと消した方がいいって話になってね。」



待て待て。情報量がおおすぎる。



洗脳?



小野さんを操るといっても、せいぜいマインドコントロールとか、適当なこと言ってそそのかしていた、くらいに思っていた。



洗脳なんて、フィクションでしか有り得ないと思っていたんだけど。



それに、『消した方がいいって話になった。』ということは、煙丸は何かのグループ、集団に属しているということだ。



茉莉花が頭の中でいろいろ考えていると、煙丸がおちゃらけたように言った。



「おっと!いけない。いろいろ喋りすぎたようだなぁ。ま、いっか!……それで?君はどうすんの。俺を倒せば万事解決な訳だけど、そんな力あるのかなぁ?」



煙丸は煙を槍の形に変え、茉莉花に突きつけた。



「ど、どうするんですか!茉莉花様!?」



ハクは慌てている。



「ご、ごめん。そこまで考えてなかった…。」



茉莉花も顔にじんわりと汗が滲む。



あれか、知りすぎた者は消されるっていう…。



「とりあえず、、逃げる!!」



「えぇ……。」



とは言っても入口側に煙丸がいるため、このマンションから出ることはできない。



と、なると、とりあえず2階に上がるしか…。



茉莉花は階段を咄嗟に見る。が、しかし…。



「!?嘘!」



階段は瓦礫で塞がれている。



「そりゃあね。逃げ道なんて作らないでしょ。普通。……じゃあ、バイバイ?」



煙丸は思いっきり振りかぶり、槍を投げつけてきた。



やば……死ぬ?だってこんな速さ、避けれない………でも、ここで死んだらみやびが…!



「……まだ、死ねない…。」



茉莉花がそう呟いた瞬間、槍の軌道がわずかにズレて茉莉花の体のスレスレを通り、地面に突き刺さった。



「し、死ぬかと思った…。」



なんか、よくわからないけど、ラッキー?



「ま、茉莉花様!?その右目……!」



ハクの声が震えている。



「へ?」



「……驚いた。まさかその目を発現する奴が現れるとは。」



なんか、煙丸まで驚いている。



茉莉花は小型の鏡をポケットから取り出し、自分の顔を見た。



「げっ!なにこれ!?」



右目が青く光っている。もちろん、純日本人なので元は黒目だった。なんで!?それに、少し頭が痛むような…。



しかし、今攻撃が逸れたのって、これのおかげなの、かな?



「と、とりあえず茉莉花様!その目でこの状況をなんとかしてください!」



「え!?でも…私も何が何だか!どうやって光らせていたのかもわかんないし!」



あれ?なんだか、どんどん黒目に戻っていってない?



「あらら。戻っちゃった。やっぱ、マグレかなぁ?」



煙丸はつまらない、と言いたげに口を尖らせ、再び槍を1本煙から作りだす。



やば、、、今度こそやられる……!



茉莉花はキュッと目を瞑った。

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