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妖魔大戦  作者: 香織
53/101

呪いの村㉒


「……数学が59点、化学は53点、、かぁ。」



なんとも微妙な点数に茉莉花はため息をつく。



結局あの日、バス停でバスを2時間待った後、家に帰ったときには時刻は9時を過ぎていた。



苦手な理系科目は捨てて、とにかく文系科目を徹夜で勉強したが、文系科目もまあまあの出来であった。



とにかく赤点を取らなかったことだけが救いである。



「はは、微妙な点数だな!」



そして、腹が立つことに、月城の全教科合わせた点数は学年1位だったらしく、先程から点数自慢をしてくるのだ。



「……なんで、土日勉強してないのに、そんな点数とれるの?」



「そりゃあ、この前の土日に日津村に行くことはもともと決まっていたからな。それを想定した上でテスト勉強をしていただけのことだ。」



月城は偉そうに言うけど、こちとら、大山先生に急に連れてこられたんだから。



「そうですかぁ。じゃあ、事前に行くことがわかっていた潤とみやびもさぞかし点数がいいんでしょうね。」



茉莉花がそう言うと、後ろの席の潤と隣の席のみやびがビクッと体を震わせた。



「……え?」



そんなふたりの反応を怪しく思い、茉莉花はまず潤の答案をのぞいた。



「数学90点、化学85点、生物80点、英語83点…なんだ、めっちゃいい点数じゃ………………ん?、、、、現代文35点!?」



なんで!?この現代文の異様な点数の低さは!



「……。途中で寝た。」



「ね、寝た!?」



潤が顔を赤らめ、俯く姿をみて、月城はニヤッと笑う。



「潤は日本語の長文を読むと眠くなる謎体質なんだよ。俺が長編推理小説を貸した時も5分で寝てたしな。」



「……。」



月城の言葉に潤はますます顔が赤くなる。



「……ぷっ、、ふふふ……なんか、潤ってしっかりしてそうなのに、面白い弱点もってるね。」



茉莉花はつい耐えきれず、笑ってしまった。



「……一応、悩んでいるんだからな。」



すると潤はムスッとしかめっ面をした。



「ふふっ……ごめんごめん。でもさ、それって文章を全部読んでるから眠くなるんじゃないの?」



「え?全文読むんじゃないのか……?」



潤は目を丸くした。



「そりゃそうだよ。全文読んでたら、私だって時間足りなくなるし、眠くもなるよ。どこを読むかはコツがあるんだけど、、まぁ今度教えたげる。」



「いいの、か…!?ありがとう。」



はにかむ様な笑顔に、茉莉花は少しキュンとしてしまった。可愛い、この人。



「……母性がっ…!」



思わず心の声がボソッとでてしまう。



「え、なんだって?」



月城が茉莉花に聞いた。



「な、ナンデモナイ、ナンデモナイ。

……ところで、みやびはどうなの?」



「え、あっ、べつに!みせられるような、そんないい点数やないからなぁ〜」



明らかにぎこちなく目を逸らした。



「……怪しいな。」



月城は裏返しにして点数が見えないようになっているみやびの答案用紙をスキをついてめくった。



「ちょっ!なにすんねん!」



「……!」



月城は有り得ないものを見たかのような表情をしている。



茉莉花も気になって、後ろからヒョイっと覗いた。



「……え?」



ほとんど10点台。最高得点は生物で28点だった。ここまで来ると逆にすごい気がする。



「しゃ、しゃあないやん!土日勉強できてないんやし!」



「それを言い訳にしてはいけません。」



大山先生が来て、ピシャリと正論を言い放った。



「土日勉強ができなくても学年1位を取れることは月城が証明したし、急に土日勉強ができなくなっても赤点は取らないことを二階堂が証明しただろ?つまり、百寺は普段の勉強量がかなり不足しているということだ。……ってことではい、これ。」



大山先生が1枚の紙をみやびに渡した。



「なにこれ、、、って!補習時間割表!?」



「赤点、つまり30点未満を取った教科は補習が夏休みにあるって職員会議で決まってたんだよ。百寺は全教科な〜。」



「そ、そんなぁ!!!」



夏休みの半分が補習で消えることとなったみやびの絶叫が教室に響いた。



それを見て茉莉花たちは堪えきれず笑ってしまったのであった。

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