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妖魔大戦  作者: 香織
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呪いの村㉑


「はあぁ!?先生の車、5人乗り!?」



みやびが叫ぶ。



「今いるのは、俺、大山先生、百寺、潤、二階堂、成瀬先輩の6人だから、、、1人乗れないな。……そういえば理斗はどこに行ったんだ?」



月城が大山先生に聞く。



「あー。理斗は使いの人が車で迎えに来てさっき帰ったよ。」



わーお。理斗ってお坊ちゃんなんだな。



「……。じゃあ、その車にひとり乗せてもらえば良かったじゃないですか。」



「ははは…。ごめんー、普通に帰り道のことなんも考えてなかったよ。」



月城の追求を先生は笑って誤魔化した。



「ちょっと待って、月城達は車も無しにどうやってこの村まで来たの?」



茉莉花は3人を見た。



「うちらは途中までバスで来たんや。この山をくだって30分位のところにバス停があるんやで。でも、1時間に1本来るか来ないかやから、結構時間かかると思うんよなぁ。」



「……と、いうことは……。」



成瀬先輩が拳をつきだす。



「ですね。」「やな。」



大山先生以外の全員が続いて拳をつきだした。



『じゃんけん ぽん!!!』



「………………。」



チョキをだした茉莉花以外の皆はグーをだした。



おわった。無理やりこんなド田舎に連れてこられた挙句、ひとり歩いて帰るなんて。



茉莉花の目は死んだ魚のような目になった。



「ま、茉莉花ちゃん!?ご、ごめんなぁ…!流石になんか申し訳ないし、代わるわ!」



みやびは慌てる。



「いいよぉ…。じゃんけんで決めた事だしぃ…。」



茉莉花は力なく笑う。



家に帰るのは夕方になるだろう。明日のテスト勉強は……うん。もう考えるのやめよう。



「よーし、車に乗るメンバーも決まったことだし、さっさと帰っちゃおーぜー!」



成瀬先輩はそんな茉莉花をみて嫌味ったらしく笑う。



「……蹴っていいですか?」



茉莉花からはとてつもない殺気が溢れ出る。



「ひぃ……、、、」



成瀬先輩は茉莉花の恐ろしい形相に目を逸らした。



「まぁまぁ!さいごまで喧嘩しないでよ〜2人とも〜」



大山先生の呑気な仲裁に茉莉花の殺気はますます強くなる。



「…大山先生。元はと言えば、先生が私をここまで連れてきたんですからね。帰る手はずくらい整えておいてください。」



「す、スミマセンデシタ…。」



大山先生の謝罪を聞けたことで茉莉花の殺気はスっと消えた。



「…まぁいいですけど。じゃあ、バスが来るかもしれないんで私はバス停向かいますねー。お疲れさまでーす。」



茉莉花が歩き出したその時。



「茉莉花、俺、……代わろうか?」



潤が呼び止めた。



優しいなぁ、みやびと潤は…。しかし、1度勝負で決めたことだ。ここで代わってもらうなんてなんかださい。



「ありがと。でも遠慮しとくね。私、借りは作らない主義だから。」



「…………じゃあ、俺も歩く。」



「へ!?なんで?せっかく車空いてるのに。」



潤って優しすぎるのか、それとも心配性なんだろうか。



「まあ、女の子1人で山を降りるんは危険やからな!潤がついてるんなら安心やわ!」



みやびはニヤニヤしながら言う。



「へーぇ。リア充か。いいねぇ。」



大山先生もなんかかなりうざい。



こんなイケメンに私がつり合うかっての。



「はぁ。…………行こ、潤。」



「ああ。」



と、いう訳があって帰り道は2人になった。










「ねぇ。大山先生って何者なの?」



茉莉花は山を下りつつ、潤に質問する。



「大山先生…?」



「ほら、あの先生、前までは頼りない印象だったんだけど、今回の件でイメージが変わって。ただ者じゃないなって思ってさ。」



今ではあの頼りない雰囲気でさえも、演技に見えてくる。



「あー。確かに、あの人は陰陽師のなかでもトップの頭脳、実力、勘を持っていると思うよ。」



「へー。やっぱり。じゃあ、なんで陰陽師の犬なんて呼ばれてるんだろ。」



「それは、家柄が悪いからっていうのと、頭が良すぎるからだろうな。」



頭が良すぎる……?それが陰陽師の地位の低さとどう関係するんだろう。



茉莉花は首を傾げた。



「あの人の家は由緒正しい陰陽師一家ではない。比較的最近の時代に陰陽師となった歴史の浅い陰陽師一家で、しかもあの人はその家の分家の人間。だから、上の人間からは全く可愛がられない。むしろ、才能を表せば表わすほど嫌がられる存在なんだよ。」



「……なるほどねぇ。」



「頭の良いあの人は上手く才能を隠して、上の人間の機嫌を取り続ける方が得だという事に気づいたんだろうな。……多分。」



「じゃあさ、もしかして今回、成瀬先輩や理斗、私を連れてきたのも、全部先生の計画通りだったりして…。」



「確かに、茉莉花がいなきゃ、洞窟の青い光の印に気づけなかっただろうし、五感の鋭い理斗が潜んでいる妖魔師を察知しなかったら、奇襲を受けただろうな。成瀬先輩……は単に雑用で連れてこられたんだろうけど。」



「そうだね…。今回の件はどこまで先生のシナリオ通りだったのか…。」



全く、謎の多い先生だこと。














「は、、、はっくしゅん!」



運転中の大山先生がくしゃみをする。



「…せんせ、風邪なん?」



みやびが聞く。



「いやぁ、誰かが先生の噂してるんじゃないかなぁ。」



「……誰にどんな噂されてるんでしょうね。」



陰陽師上層部のことを思い浮かべながら月城が呟いた。



「うーーーーん、二階堂と潤が先生のこと褒めてるんじゃない?ほら、今回、まあまあの活躍したでしょ?」



大山先生は呑気に答えた。



「それはそっすけど、こき使われた身としては癪ですね。」



成瀬先輩は口を尖らせたのだった。

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