呪いの村⑭
「その予測っていうのは……?」
茉莉花は大山先生に聞いた。
「先生、この任務が3人に言い渡された時から、いろいろと調べてたんだよね。この地域の地理とか、歴史とか。そしたら、日津村の近くに、ちょっと訳ありな洞窟がある事を知ったんだよ。」
「……それが今いる洞窟のことなんですね。」
大山先生はこくりと頷く。
「そ。噂によると、この洞窟はどうやら妖魔師の集会所だったみたいなんだ。だから、一般の人や陰陽師が立ち入れないよう当然罠があると考えた。」
「……そういえばだが、水晶玉の管理を引き受けたのは契約を取り持った妖魔師だったな。水晶玉を保管しているこの洞窟が妖魔師の集会所というのは、あながち間違いではないと思うぞ。」
天女さんは思い出したように言った。
「じゃあ、私に見える青い光っていうのは…」
「十中八九、妖魔師だけに罠がわかるように特別な印をほどこしてあるんだろうな。陰の気が強ければ強いほど見やすいんだろう。」
「だから成瀬先輩は妖魔師なのに引っかかったと。」
同じ妖魔師とは思えないほど陰の気が弱々しいもんね。
「うっせーな!」
穴から声が聞こえてくる。
大山先生は大穴を見た。
「さて、成瀬をどうやって助けだすかねぇ。誰か長い紐なんて持ってないよねー。」
「…………。」
もちろんだが、持っています、なんて言う人は誰もいない。
「そのことなんですけど、ちょっといいすか?」
「なんだい、成瀬。」
「いやあ、実はこっちも道が続いてるんですよ。もしかしたら出口とかあるかもしれないんで進んでみてもいいですか?」
大山先生はそれを聞いてうーん、とうなった。
「……大丈夫かなぁ。」
「だ、大丈夫っすよ!青い光に注意すればいいんでしょ?ちゃんと気をつけていれば、何とかなりますよ!」
「じゃあ、あたしがついていってあげよう。」
「へ……?」
先生や茉莉花たちが驚いて天女さんを見る。
「あたしなら怪我なくこの穴を降りれるしな。」
そう言うと、ふわふわと穴の中に落ちていった。
「まあ、天女さんがついてくれるんやったら、心配はないんやない?」
みやびは大山先生に言った。
「まーそうだね。…じゃあ、ひとまず先生たちも奥に進もうか。成瀬ー。ほんと、気をつけるんだぞー。」
「うーっす!」
……と、いうことで、2手に別れることになったのだった。
「そっち、罠があります。」
「了解!ありがと!茉莉花ちゃん!」
茉莉花の視覚を頼りに、一行はどんどん奥へと進んでいく。
しばらく歩いているうちに、潤が口を開いた。
「……少し疑問なんですけど、千代ばあさんの家に行ったり、聞き込みをしたりっていう過程いりましたか?最初から言って頂ければ、この洞窟に簡単にたどり着けたのでは?」
た、確かに……!
月城も先生を見る。
「俺もそれ、気になってました。なんで言わなかったんです?」
「あー、いや、結構あやふやな程度の噂だったからね。又聞きの又聞きの又聞きの情報だし、万が一洞窟に入っても何もなかったら、それこそお前らは怒るだろ?」
月城は半分腑に落ちた顔になった。
「なるほどですね。……というか、先生はそういった情報、いつもどっから仕入れているんですか?」
「………………さあね♪」
先生はこれ以上追求されないよう、さっさと歩きだした。
…あやしい。まあ、昨日の話を聞いて大方予想がつくけど。どうせ、妖魔師のお友達がお父さんの他にもいるんだろう。
「ちょっとー!せ、ん、せ、い!!!」
あまりに怪しい先生をみやびが不審がる。
「…ちょっと待ってください。」
1番後ろにいた理斗が急に声をだした。
「ど、どうしたんや?理斗。」
みやびが振り返る。
「前方に大勢の人の気配がします。先生の話が本当なら、おそらく妖魔師かと。」
大山先生は苦笑いをした。
「はは……今でも集会所として使われているとはね。みんな、いつでも戦闘にはいれるように気を引き締めるんだ。」
『はい。』
全員の表情がかたくなった。




