呪いの村③
音信不通になっていた潤、みやび、月城はあっさりと見つかった。
茉莉花と成瀬は大山先生を睨みつける。
「……見つかりましたけど?」
大山先生は頭をポリポリかいて、照れ笑いする。
「いやあ。よかった、よかった。もー、連絡よこさないから心配だったんだよー。」
みやびは口をあんぐりと開ける。
「ま、まさか、うちらが連絡しなかったから、茉莉花ちゃんと成瀬先輩とわざわざ理斗まで呼んで捜索に来たんですか!?期末テストも近いのに!」
「うん!先生って心配性だからさー。そもそも、なんで連絡をくれなかったんだよ。」
月城は呆れた表情で眼鏡をクイッとあげて言う。
「思ったより、電波が悪いんですよ。この村。なにしろ、ここの住人の年齢層が高いから、電波が悪くても生活に困ることがないらしいので。」
「……おいおい。じゃあ、俺らは何のためにここに来たんだ?先生、俺、もう帰りますね。」
成瀬先輩はそう言うとさっさと車の方へ歩いていく。
「ん?ダメだよ?先生はここに残るし。お前は先生の雑用係でしょ?」
「な……!」
大山先生は笑顔でバッサリ成瀬先輩の意見を切り捨てた。
じゃあ、私だけでも帰ろう。山から下りれば、どうにか公共交通機関で帰れるだろうし。
「私は帰っていいですよね?はやく勉強したいんで。」
「でも、先生は車ださないからね。山道下るのは歩きじゃ2時間以上かかるけどそれでもいいならどうぞ?」
「……。」
……本当にコイツ、先生か?
「まあまあ!日本史のことなら、なんでも質問を受けてあげるから!なんなら、どこらへん問題にするかとか教えてあげるから、ね!」
「…………わかりましたよ。」
「よし!んじゃ、3日間調査してわかったことを報告してくれ。」
月城が頷く。
「はい。俺たちはこの、日津村についてから、ただただ、かすかに感じた陰の気を追って、妖怪を祓う作業を繰り返していました。しかし、人が消える原因となる妖怪にはなかなかたどり着けず、その後村の人に聞き込みをすることにしました。その時、少し気になる発言を得られまして…。」
「ほう。気になる発言。」
先生は興味深そうに、顎の下に手をあてる。
「人が消えるのは、千代ばあさんの呪いだと、何人かが証言していました。」
本当に怪談話みたいな展開になってんじゃん。
「……千代ばあさんは、虚言癖のある人だったみたいで、村の人からは嫌われて、無視をされていたみたいなんですが、、、つい先日、心筋梗塞で亡くなったみたいで。」
「ふーん、なるほどねぇ。」
「俺たちは今から、その千代ばあさんの家に行って何か手がかりがないか、捜索しようとしていたのですが……急にとてつもない陰の気が近づいてくる気配がしたので、その方角へ向かったら……」
月城は茉莉花を見る。そして他の人も全員、茉莉花に注目する。
「お前だったわけだ。」
「……すいませんね!」
そんなに私の気配ってバレバレなんだ。
「まあ、二階堂連れてきたのは先生だからね。調査の邪魔して悪かった。
さてさて、さっそく千代ばあさんとやらの家に行ってみるか。」
どうせ、それにも同行しなきゃいけないんだろうな。
「はぁ……。」
茉莉花はがっくりと肩を落とした。




