表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖魔大戦  作者: 香織
29/101

体育大会の裏事情⑨



……まずいことになった。



数分前の出来事だった。応援合戦は審査員の評価により、私達の青ブロックが1位となり、ついに赤ブロックと同点まで追いつくことができた。



あとはブロック対抗リレーの結果次第で優勝が決まる、ということで、皆のテンションも上がっていた。



だが突然、放送で私の名前が呼ばれた瞬間、皆のテンションは一転する。



「二階堂茉莉花さん、ブロック対抗リレーの出場選手の人数が足りていないので、入場門へ来てください。」



……え?私、この競技参加しないはずだけど。



誰もが私のことを見る。え、二階堂さんが補欠?って感じの目で。



皆も混乱しているが、1番混乱しているのは私だ。



オロオロしていると、後ろからは、成瀬先輩の声がする。



「やあ、補欠君。」



「……もしかして、先輩のせいですか。」



成瀬先輩は小声で話す。



「そうだよ。名簿をすこーし書き換えたんだよ。補欠ともなると、誰も書き換えに気づかなかったしな!」



「いくら勝ちたいからって、さすがに酷すぎじゃないですか!?」



「これは個人的な仕返しだよ。この前のな。」



「……。」



あれか。先輩の急所を蹴ったやつか。



「とにかく、これで俺の優勝だな!お前もよく頑張ったよ。」



そう言って、気分良さげに先輩は帰っていった。



「…………。」



「……お前、大丈夫なのか?」



月城が声をかけてくる。



「大丈夫じゃないに決まってるでしょ。目立つのは嫌いなのに、勝敗の決まるリレーに出場なんて…。」



そして、応援合戦を終えた潤やみやび達も応援席に帰ってきた。



「茉莉花ちゃん、補欠やったんやなぁ。足が速いなんて以外や。」



「はあああ……ちがうんだよ。」



茉莉花は今回の成瀬先輩との1件について、月城とみやび、ナギに話した。



「……あー。だから、競技中セコいことをしてたのか。」



月城が納得の表情をする。



「……重々承知してますが、改めて言葉にされると傷つきますね。」



「僕も茉莉花ちゃんって意外と負けず嫌いなんだな、って思ってたけどそういうことかー。」



ナギはのんきに笑っている。



「だから、もしうちのブロックがリレーで勝てば、成瀬先輩とは敵対しない事になるし、負ければ敵になるってこと。」



「なんか、成瀬先輩も適当やなぁ。体育大会でそんな大事なこと決めるなんて。」



それは少し私も疑問に思っていたことだ。

……内心、彼も方針に迷いがあったのかもしれないな。



「……まあ、とりあえず、リレー行ってくる。名簿に名前が書かれていた以上、出場しない訳にはいかないし。」



とぼとぼと入場門へ歩きだす。



「茉莉花。」



振り返ると潤が心配そうに私を見ている。



「……緊張しているのか。」



茉莉花は苦笑いを浮かべる。



「さっきとは状況が逆だね。」



「……。」



茉莉花の冷たい手を潤がそっと握った。



「え、、?」



「緊張のとれるツボ、だろ?」



「あ、うん。……ありがとう。」



……動悸がすごい。体もあつい。やっぱりこのツボって緊張を増幅させるツボなんじゃないか。



茉莉花はぎこちなく踵をかえし、入場門へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ