妖怪の住むマンション④
佐藤君が今の状況になった経緯を説明する。
「20分前くらいのことなんだけどさ、3人で1階を探索してたら、ノノが急におかしくなって、変なことをブツブツと呟きだしたんだよ。死んでやる…死んでやる……って。
その後、今度は階段を上がりはじめたから、ショーコがあわててついていったんだ。
俺も追いかけようと思ったんだけど、急に身体が何かに引っ張られて、引きずられた結果この部屋に来たんだよ。」
…つまり、可愛らしい雰囲気の清水野乃と姉御肌の田村翔子は同じ場所にいる可能性が高いか。
「20分もたってるんじゃから、急いで探した方が良さそうじゃな。」
「!!!」
ナギが目をキラキラさせて、自分の肩を見る。
……もしかして。
「視えるようになったよ!あと、声もはっきり聞こえる!」
うへー、はやっっ!
「やっとわしが視えるようになったかナギ!」
ネコさん、めっちゃ嬉しそう。
あ、でも、これなら……!
「このマンション、3階建てだから、私とハク、ナギとネコさんで手分けして探さない?私たちは3階に行くから、ナギたちは2階を見てきて!」
「わかった!連絡先聞いていい?2人がいたら連絡するよ。」
「OK。無理はしないでよ。あ、佐藤君は先にこのマンションから出てて!多分、マンション出れば安全だから!」
「あ、ああ……?」
妖怪を認識できない佐藤君は会話の内容について、何がなんだかわからない、という顔をしている。
……こうして、私たちは二手に別れることとなった。
ナギたちは2階に向かい、私たちはマンション入口へ佐藤君を送り届けた後に、3階に向かった。
ハクが私を見て言う。
「ナギ様と二手に別れるなんて、大丈夫なんですか?彼、まだ妖怪が視えるようになったばかりなんですよ。」
「うーん、たぶん大丈夫だと思うな。ネコさん、陰の気が濃いし、知能も高いから、安心して任せていいはず。ま、連絡が来たらすぐに私も駆けつけるつもりだし。」
「確かにそうですね。」
……………ぜぇ、ぜぇ、、、ハクと話しながら階段をのぼったから、息切れがやばい。
なんとか3階にたどり着いた。
3階についたとたん、吐き気のする匂いが鼻を突く。
「何!?この腐った匂い……!」
「本当ですね…」
あ、さっきネコさんが言ってた、陰の気の正体ってこれのことか…。
誰かが生物を殺して陰の気を発生させている。
だとしたら、匂いの元に犯人がいるのかも?
「ねえ、ハク、この匂い、どこから来てる?」
ハクはしばらくクンクンと周囲の匂いを嗅いだ。
「1番奥、だと思います。」
ってことは……
「了解。304号室だね。」
私たちは匂いの強くなる方へ走っていった。




