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閉ざされた第六洞窟

ついに天女の生まれ変わりの見当がついた。

トワナとマキナ姉妹の二人。しかしどちらが天女の生まれ変わりかまでは不明。

島の者も彼女たち自身もよく分かってないのだとか。

そうすることでこれまで守られて来た面もある。


もう第五洞窟は充分。急いで最後の第六洞窟に向かうことに。

しかし第六洞窟は厳戒態勢が敷かれ閉ざされている。

とりあえず大きな第六洞窟を一周してみるか。

何か手掛かりがあるかもしれないからな。

まずは左側から。だが頑丈で入るのは不可能。

多少穴があってもこじ開けるのは難しい。道具だってない。

たとえあってもすぐに没収されるだろう。そんな危ないものを放置しないさ。


ペタペタと触ってみるが動くはずもなく違和感もない。

それにしてもココもナガレも消極的。一緒に手伝ってもよさそうなのに待機。

何の為に連れて来たんだ? 特にココなら秘密の入口ぐらい知ってそうだが。

そうか…… それが問題なのか。しかし困ったぞ。どうすればいい?

第六洞窟は閉ざされてしまった。


うん? 何だこれは? 

左回りで真裏に回ると入口らしき穴を発見。

非常口。あるいは勝手口だろうか。ここから出入り可能のよう。

だったら行ってみますか。それが男と言うもの。ロマンを求めて中へ。


それにしても中は暗い。まあ非常口へ通じるところならこんなものか。

懐中電灯ぐらい用意しておけば…… 中島に入る時にすべて没収されたからな。

あるのはココが使ってるランタンぐらいだがもう切れ掛かってる。

クソ! 見えない。こんなところから入るのか…… 遠慮したい気分。

でも贅沢言ってる時じゃない。あと一歩なんだ。天女の生まれ変わりは絞られた。

残すは第六洞窟のみなんだ。ここで大穴を見つけたら中島も制覇できる。


うん? やめてくれ!

コウモリたちのお出迎え。どうやら光と熱に反応したらしい。

叩いても叩いても何度も襲って来るしつこいガードマン。

追い返そうと躍起になっている。どうやらここから出入りしてる者はいなそう。

そもそも理由もなく裏口から入る奴など皆無。

我々のように入室を断られたよそ者ぐらいなものか。

だったら戻るか。いやそうは行かない。


うんこれは階段か? どうやら二階にご案内らしいな。

ゆっくり一段一段抜けないかチェックして進む。

大丈夫。そこまで脆くない。ただ手すりがある訳でもないので転倒したらお終い。


五分近く掛けてどうにか二階に到着。

息が切れて汗もびっしょり。着替えないと風邪を引くぞ。

おお…… 光じゃないか。これはまさか目当てのもの?

この輝きこそがこの島の財宝ではないのか?

やったぞ。ついに念願の金銀財宝を発見したぞ!

穴探しに天女伝説をすっ飛ばして一気に金銀財宝にたどり着いた。

意外にもあっさりした展開。これはラッキー。


では遠慮なく頂くとしますか。

博士やりましたよ。あなたの意志を継ぎようやく金銀財宝にたどり着いたんです。

長かったな。どれだけこの日を待ち望んだか。

今この時思いが叶う。何て感動的なのだろう? 

しかも誰にも気づかれてない。これは本気で独占できるかもしれないぞ。

ははは! 一気に億万長者だ!

おっと…… いけないいけない。何を考えてるんだ?

それは最初の目的じゃないか。今は違う。

失ったミコトのために中島だけでなくミハマ島の秘密を暴き真実に迫る。

それが現在の私にできる最大限の供養だ。


一歩中に足を踏み入れる。すると財宝が呼ぶように光輝く。

ではもう一歩。ふふふ…… 逃げるでない。さあ大人しく捕まるのだ。

それが運命。私がこの金銀財宝を手にするのだ。

どうしても目的を見失い財宝に目が眩んでしまう。

それが冒険者の性とも言える。まずい。どうどん自分が狂って行くのが分かる。


財宝まで一気に走る。

ミシミシ言うのも気にせずにもう我慢できずに一直線。

そうして目の前の金銀財宝を確認。

うん? なんだこれ? 金じゃない。銀でもない。ただの紛いものだ。

いやらしいほどの輝き。あの上品な金の輝きは見られない。

「クソ! ふざけやがって! うおおお! 」

つい大声を出してしまう。まずい聞こえたか?

賊が侵入したと大騒ぎになっては後が面倒。


では急いで戻りますか。

ターンした瞬間ミシミシが強くなりいきなり床が抜けた。

そもそも暗くてこれが床なのか何かさえよく分からない。


うわああ!

突然の落下に我慢できずに悲鳴を上げ続ける。

これは気づかれた? いや気づかれた方がいいかもしれない。

落下で足を骨折する場合もあるしそもそも抜け出せずに窒息する恐れもある。

だがどうやらその心配はないらしい。二階からだから骨折は免れた。

それでも足はどことなく違和感。骨折はしてなくても捻ったかもしれない。

時間が経つと徐々に痛みが増して腫れて来るから気をつけないと。


ドンと音はしたので心配したが音の割には怪我することもなかった。

一体何が起きたんだろう?

いつの間にか階段の下に。目の前には明かりが。入口の前にいた。

要するに階段を上り二階に行き金銀財宝の目の前の落とし穴に嵌ったようだ。

情けない話ただの間抜けとなった訳だ。ああやってられない。

もうここからは無理だろうな。

急いでココたちのところへ戻る。


「どうしましたアキラさん? 」

砂まみれでボロボロの姿を見てすべてを悟ったらしいココ。

ナガレも頭を抱えてる。どうやらつまらない手に引っ掛かったと嘆いてるのよう。

事前に言ってくれればいいのに。自分一人ではこれが限界さ。

それに一度ぐらいは嵌ってみるのも悪くない。

まずは積極的に動くことが重要。


「うん? お前はアキラではないか? 」

第三洞窟の穴のハイドが姿を見せる。

何でも第六洞窟でハイドたち穴が一堂に集まって第七の穴を決めるそう。

だからあれほど厳重な警備だったのだろう。

それなら歓迎されないのも仕方ないこと。


「ハイド。どうしてここに? 」

「いや遅れてしまった。どうだお前も一緒にどうだ? 歓迎するぞ」

せっかくの誘いなのでありがたくお供する。

でもこれだとココと同じ立場か。強く出れないぞ。


こうして第六洞窟へ。


                 続く

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