表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/96

デザート

紬・草太朗夫婦のお世話になっている。

草太朗自慢の島名物を使ったディナーを食す。

まずはサラダを。シンプルにレタスにトマトとカリフラワー。

ニンジンと大根のスティック。そこにドバドバと柑橘系の特製ドレッシング。

うん。爽やかで味もしっかりしている。

お好みでスティックにはケチャップソース。


「どうかな? 隠し味にミビ茶を使用してるんだ」

またミビ茶を使ってるよ。いい加減この島民のミビ茶推しはうんざりさ。

そんな感想は言えないからただ美味いとだけ。

ソースは別としてかなりヘルシーな料理となっている。

たくさん食べても罪悪感がないのがいい。ただ物足りない部分もあるかな。

と言っても前菜だから。メインディッシュはこれから。

何が出て来るか大いに期待。美味い。本当に美味いや。


フィールドワークでお世話になると向こうの味付けだから大胆で大雑把に。

慣れてしまえばいいがそこまでワイルドでもない。大体三日も続けば嫌になる。

日本と違って毎日同じでも構わないと思ってるのか変化に乏しい。

恐らく多少は変えてるんだろうがいちいち説明を受けるの面倒。

それに引き換えこのサラダもサボテン和えも細かい。繊細な味。

ただ野菜ばかりだと飽きてしまうのはある。

そろそろメインディッシュに進んでもらおうか。


「タコの味噌和え」

新鮮なタコを使った和の一品。

続いて巨大イカのから揚げ。足らしいのだが物凄い大きさに驚く。

「これは今朝取れたタイです」

そう言うが真鯛では当然ない。どこにでも泳いでいる何とかダイだろう。

おすそ分けで頂いたらしい。ここにもすると釣り名人がいるのだろう。


個人による漁は基本的に許されてない。

理由としてはこの海域は霧が濃く迷って危ないから。

もちろん他にもいろいろな理由があるが観光客の出入りを制限するためとか。

それにこの辺りの資源を管理するためだろうか。

このような理由から三島とも漁は禁じられていると博士の資料にも島長の話にも。

それほど島の管理は徹底されている。ただ怪しい部分でもある。

ここまで徹底するのにはきっと何か重大な秘密があるのだろう。


「おおこれもいい味出してますね」

「白身魚の煮つけです」

どうやら高級魚らしい。

これがもし釣れるなら私もいつか釣りに同行させてもらいたいな。

一日ぐらい…… いやそんな余裕ないか。

一週間の制限は恐らく撤廃されたのだろう。

中島に行く。だから多少時間は作れそう。


フィールドワークの一環として博士と共に現地の釣りに同行することがある。

そこには伝説の怪魚が存在し捕まえに行くかと誘われるのがお決まり。

ただの素人で勝手の知らない我々が行ったとこで足手まといで釣れるはずがない。

分かり切ってるがそれでも……


魚釣りはどこの国も地域もない。地域の伝統漁法を実践して釣り上げるのだ。

退屈な毎日がそんな時だけは光り輝く。それは地元の者も同じ。

狩りにしろ漁にしろ成功と失敗では当然ながら天と地ほどの違いがある。

成功すればそれこそ村総出で迎える。

逆に失敗すればため息とともに大人たちは帰って行く。

子供たちはそれでも楽しそうに駆け回る。

私よりも博士の方が得意。ただ巨大魚だから一人で釣り上げるのは不可能。

いつの間にかお手伝いさせられることに。助手だから当然だろうと。

別に構わないがやる気を失えば釣れるものも釣れない。

結局博士は魚も人の気持ちも理解できないからいくら腕がよくても釣れない。

もう少し自分を抑えて謙虚でいたら怪魚ハンターも夢じゃない。


仮に釣れても最後の最後で逃げられるのがオチ。それでも毎回のように挑戦。

男のロマンって奴だ。つい興奮して熱中してしまう。

最近は年もあり私が代表で行く場合がほとんど。

だからそれなりに知識はある。今回も行けたらな。

ただの願望。もちろん優先順位は高くない。

まずは島の秘宝の金銀財宝。次に天女様。そしてミコト。だから四番目か?

いや生きて無事に帰るのが本当の願望。これが基本さ。


「デザートです…… 」

そう言って持って来てくれた紬さんだったがこれってポテチ?

銀紙の上げ底仕様となっている細長い筒状の容器のフタをぺりっと剥がす。

十枚一気に取る。勧められたからには豪快に食べ遠慮なくパリパリする。

食べ終えてしっかりフタをして振るとカランカランと心地よい音が。

何種類かあってこれは緑色でラッピングされている。

その名も厚底ポリングースだそう。


「プニュ! どうです? 」

紬さんは目を輝かせるがそんな大したことか?

「どうって…… それはとてもおいしですがこれがデザート? 」

つい疑問を口にしてしまう。すると紬さんはショックで下を向く。

「いえ…… 暑いですから爽快なのがいいかなと…… 」

どうもこの人といると調子が狂う。素敵な女性なのにどこか変でかわいらしい。

「失礼しました。ではこちらをどうぞ」

そこまで真剣にならなくてもいいんだけどな……

ではデザートを頂きますか。


アイス…… 棒付きのアイス。最近見かけなくなった昔流行ったフルーツバーだ。

二種類あってどちらにしようか迷っているとミコトが美味しい方を選んでしまう。

「ちょっと待ってくれよ! メロンかよ」

「アキラは余った方でいいでしょう? 」

そう言うと勝手に先に舐めてしまう。私のウオーターメロンが……


うわちょっと…… 目の前で舐めないでくれ。どうしても惹きつけられる。

「ははは…… アキラさんも大変ですね」

主人は他人事みたいに笑うが自分だって相当恥ずかしそうに……

うん? 奥さんの舐めるところを気にする訳ない。するとミコトのを見てか?

まさかミコトを狙ってるのか?

あんなプニュっとした美人な奥さんがいながらまだ物足りないのか?

ミコトにロックオンするとは何て奴だ。許せない! 

ははは…… いやさすがに考え過ぎか?


                続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ