カゼリアとの密会
マグロの招待を受け島の若者たちの集まりに参加。
そこにはメイたちだけでなくムネガさんまで。
遅れてナギサまでやって来た。
気になるのはやはりカゼリアだ。何となく天女ではないかと。
だからつい積極的に。マグロの恋人だがそんなの関係ない。
「カゼリアさんのオッパイを貸してくれない? 」
私の雑な頼みに触発されたハルがおかしな言い方で迫る。
すると我慢の限界のマグロから一撃を喰らう。
あーあ馬鹿だな。セクハラするからだよな。信じられないぜ。
兄の介抱する健気なメイとやり過ぎたと謝るマグロ。
関係は幼い頃からのようで随分とタイプは違うが仲間には違いない。
マグロのカリスマで皆をまとめ上げているのだろうが。
「あの…… 答え分かりましたか? 」
カゼリアさんはどうやらまだ関心を示しているよう。
なぜ彼女が私の事情に詳しいのかさすがに分かるものではない。
「もしかして俺たちは運命の赤い糸で結ばれてるとか? 」
キザなセリフで格好をつけて引いてもらおうとするがうんうんと頷くだけ。
おいおい本当かよ? それとも手玉に取ろうとしてるのか? 怖い女だな。
もうすぐにでも告白したくなる。だがここは抑えないと。
これが恐らく彼女の狙い。どう言うつもりか知らないが標的にされた。
「実はそうなんです。でもちょっと違って…… 私は存在感があまりなくて……
たまに人の話をうっかり聞いてしまうの。
だからあなたがフィールドワーカーだと分かったんです。
それにナギサさんのお母さんの話も。どうです後でじっくり聞くのは?
そうしたらあなたの要求にだって応えられるのにな」
どうやらカゼリアさんは超積極的な女の子らしい。
他の者がハルを心配してるところで誘って来る。
「分かったよ。君がそう言うなら信じるよ」
「嬉しい! 」
「よし全員揃ったことだし改めて乾杯しよう! 」
マグロの音頭で宴が開始される。
こうして二時間近くの歓迎会は盛り上がりに盛り上がってお開きとなった。
「悪いナギサ。ちょっと寄るところがあるんだ。一人で先に帰ってくれないか」
メイとハルに送るように頼んで一人海沿いへ。
これは危険な誘いだって分かってるさ。でもだからこそ逃げられない。
この島に来て宝探しも生まれ変わり特定もまったく進んでいない。
手掛かりが大してないから。この島の宝と言えば真実の瞳だが何かさえ不明。
本当にあるのかさえ疑わしい代物。
この島に来てまだ一週間も経ってないとは言え難航している。
急がないと後二日しかない。なぜか分からないがそんな風に考えてしまう。
それが正しいかは分からないが。
「待った? 」
さっき別れたばかりのカゼリアさんが姿を見せる。
皆がいる時とはまた違った大人の雰囲気を漂わせる。
マグロの目もあるのである程度は自制していたのだろう。
今それが解放されたように大胆に。悪くない。
「いや…… 今来たところ…… 」
「もうアキラったら! 」
「やめろって。そんな気はないさ」
いきなり抱き着いて来たのでつい拒絶してしまう。
「でも興味があったから来たんでしょう? この体が欲しい? 」
ダメだ。単純な男しかこの島にはいないのか?
誰が抱きたいってんだ? あれ…… 悪い気がしないのはなぜだ?
「マグロと付き合ってるんだろう? 」
「あいつはダメよ。未だに手を出してこないガキ。でもあなたは違う」
酷い言われよう。マグロって一体? いい人の予感。
見た目が悪いと誤解されやすいが短い付き合いとは言えマグロはいい奴さ。
「俺が用があるのはお前の胸だ。悪いがそれ以外興味はない」
酷い言い方だがこれぐらいはっきり言わないと誤解されても困る。
いや誤解でもないのか。生まれ変わりならばそれは保護し慈しみ愛でる存在。
ここで白黒はっきりさせておきたい。
「だからやりたいんでしょう? 」
「ははは…… ちょっと違うな。胸を見せて欲しいだけさ」
「まさかただの変態? 」
どう言う理論だ? 胸が見たいのは普通のことだと思うけどな。
「いいから見せるのか見せないのか? 早くしないと疑われるだろうが! 」
「好きにしたらいいじゃない! どうぞ舐めるなり食べるなりして! 」
無茶苦茶言うな。どうやら幻覚剤でもあるのか彼女の行動はとことん狂っている。
だがそちらの方が何かとやりやすいのは間違いない。
「では手を挙げてね」
こうしておかしなプレーに励む。これは隠れた願望?
「あなたはお医者様なの? 」
どうやらこの島にも医者はいるらしい。ドクター離島?
「ははは…… お医者さんごっこでもするか。では服を上げます。
ブラを取ります。では取ったブラで胸をきちんと隠しましょうね。
では下乳をこのライトで隈なく探って行きます。違和感はありますか? 」
患者に訴えられないように丁寧を心掛ける。
「いえ…… どんな感じですか先生? 」
「それは本人にしか分かりません。はい異常なしです。
ではこれで。ご協力に感謝します」
こうしてメイに続きカゼリアさんの胸を見せてもらった。
夜に胸を見ると嫌でも反応してしまう。どうしたんだ私は? 落ち着けっての!
待てよ…… 昼間も同じ症状になるか実験してみたくなったぞ。
「先生感想は? 我慢できませんよね? 」
「ははは…… しっかりした胸です。これはきっとすくすくと育つでしょう」
もう少しバストアップするとの見立てを述べる。
「ねえ先生。お忙しいでしょう? 助手が欲しくありませんか? 」
そんな風に誘惑するカゼリアさん。これは危険だぞ。
どうやらカゼリアさんはこのおかしな取り組みに共鳴したらしい。
「ありがとう。君のお陰で一歩前進だよ」
そう言ってついお礼のキスをしてしまう。
もしここで悪い印象を与えればカゼリアさんは敵に回るだろう。
それはナギサにも悪いし第一私の主義じゃない。
「ありがとうございます先生」
どうやら納得してくれたらしい。これで役に立つ助手を獲得できたぞ。
ちょっとだけ汚い気もするがこれも歓迎会の続きだと思えばいい。
私としては少しでも生まれ変わりの候補を絞り込みたいからな。
「送ろうか? 」
「大丈夫。またお会いしましょう」
カゼリアさんが姿を消すと影が三つ。
「おいお前らまだ帰ってなかったのかよ? 」
まずいところを見られたか聞かれたかしたな。絶対誤解しただろうな。
「これはどう言うこと? 」
ナギサが黙ってしまうのでメイが代わりに聞く。
「どうって? メイだって知ってるくせに。俺がこの島に来たのは…… 」
「たくさんの女の子の胸を見たい」
メイは恥ずかしがることもなく堂々と言ってのける。
「そうそう…… って違う! 」
「嘘ばっかり! 私の胸だって見たくせに! 変態なんだから」
「違う! 大体メイの胸だって全部見た訳じゃないだろうが」
言い訳するがあまり意味がない。
「アキラよ。さすがに羽目を外し過ぎだぜ。マグロに言ってもいいのか? 」
脅しをかけるハル。いやそうじゃない。ムネガさんの時に散々説明しただろう。
それなのにこの兄妹と来たら忘れたのかこだわる。
「おいおい何の話だよ? 」
「俺もあんたを信じてたさ。でもお医者さんごっこって何? 信じらねえ! 」
ハルが勢いに乗って追及を始める。
「信じられないのはお前だ! ムネガさんだけでなくナギサにまで告白したろう?
いいんだぜ。ナギサの親に報告したって構わない。そうなったらどうなるかな?」
調子に乗って責めてもいいことなど一つもない。逆に自分の罪が暴かれるだけ。
「分かったよ。あんたには敵わない。降参だ」
互角だったはずなのにもう音をあげたらしい。情けないな。
だから妹から尊敬されないんだ。
断定はいけないが事実だから仕方がない。
続く




